データマイニングの世界でよく語られる話に「ビールとおむつ」という有名な事例があります。
米国の大手スーパーマーケットチェーンで販売データを調べると、ビールを買っている顧客は同時に紙おむつを買っていることが分かりました。その理由を詳しく調べると、子供がいる家庭では、母親がかさばる紙おむつを買うことを嫌がり、夫に買ってきてくれるように頼みます。その夫がスーパーに買い物に行った際に、ついでにビールも買うことが非常に多いというものでした。そこで、そのスーパーはオムツ売り場の横にビールを陳列してみました。そうするとビールとオムツの売り上げが飛躍的に上昇しました。
ざっとこういう話です。
この節には諸説あり、Googleで検索してもさまざまな事例が出てきます。スーパーがウォルマートだったりセブン−イレブンだったり、ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された記事が発端だという説など、半ば伝説のような話になっています。感覚的には真実としてとらえやすい話ですし、データマイニングという概念を説明するためには非常に分かりやすい事例だったということも、この伝説が広く伝わることになった理由ではないかと思います。
インターネットの世界でもこのビールとおむつのような関係を使ったサービスや機能は多く存在します。
EC(電子商取引)サイトのAmazon.co.jpで本を購入すると、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というコンテンツが表示され、何冊かの本をお薦めされたことがある人は多いと思います。これはAmazon.co.jpの膨大な購買データを分析して関連付けたものであり、ビールとおむつとまったく同じデータマイニングを使った「レコメンド」(お薦め)機能なのです。
またインターネット広告の世界でも、Webサイトのコンテンツを自動的に解析してコンテンツの内容を理解し、最適な広告を配信する「コンテキストターゲティング」や、ユーザーのWebサイトの閲覧履歴を基に個々の趣味や嗜好(しこう)性に合った広告を配信する「行動ターゲティング」などは、膨大なデータを解析して新しい関連性を見つけるデータマイニング手法だと言えます。
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