「ユーザーの心をつかむWeb文章術」

ユーザーの心をつかむWeb文章術

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2008年11月10日(月)

Web文章作法(下):「言葉」に「説得力」を持たせ、ユーザーを口説く方法

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 前回は、Web文章術の基本について書きました。しかし、前回のルールを適用しても、文章そのものが面白くなかったり、整理しきれていなかったりでは効果を見込めません。そこで今回は、実際にユーザーの心をつかむためには、どのようなテクニックを使っていくか? このことについて書いていきたいと思います。

物事を分かりやすく伝える上で知っておきたい「マジカルナンバー」

 実は前回の記事でマジカルナンバーを使っています。マジカルナンバーは、ジョージ・ミラーというアメリカの心理学者が発表したもので、「Wikipedia」に以下のように記載されています。

「マジカルナンバー7+-2」という論文の中で、一度聞いただけで直後に再生するような場合、日常的なことを対象にする限り記憶容量は7個前後になるということを示した。この7個というのは情報量ではなく意味を持った「かたまり(チャンク)」の数のことで、数字のような情報量的に小さなものも、人の名前のように情報量的に大きな物も同じ程度、7個(個人差により+-2)しか覚えられないということを発表した。


 7±2ということで、5〜9が人の記憶容量に適した数だということです。中でも7の力は絶大で「世界の7不思議」や「七福神」など、さまざまシーンで古来より使われています。

 Webサイトでも、メニューなどを作る際には、知っておくと便利です。先述のWikipediaでも、ナビゲーションは七つに設定されています。

 しかし、問題解決やプレゼンテーション、そして本連載の主題であるWebの文章では、これより少ない数字を使うことが求められます。なぜなら当初から書いてきた通り、ユーザーは求める情報を早く欲しがっているからです。

 また、「本を読む」などの行為と異なり、流し読みをしているケースも多いことが予測されます。

 流し読みをしている中で、脳に刻み込むためには、七つでは多すぎます。ここで、マジカルナンバーをさらに低く設定し、Web文章術のルールとしたいと思います。

      『Web文章術では、マジカルナンバーは4±1』

 その上で、前回の記事を参照してみてください。文章を構成するためのルールを三つに分けたりしていますよね?

 「3」という数字は、マーケティングでも「3C(Customer顧客・Competitor競合・Company自社)」をはじめとし、よく使われる数字です。

 「3」は選択肢の範囲としてもちょうどよく、「本命のA案・抑えのB案・革新のC案」などといったように、レンジの広い提案で決着点を探すシーンでも多く採用されます。

 クライアントから見積もりを要求されたとき、先方が「松・竹・梅でお願いします」なんてことを言ってくることもありますよね?

 三つにまとめると、人はまとめて覚えやすいのです。まとめて覚えられるということは、読後に「理解した」という印象が強く残ります。

 書き手によって意図的に整理された文章を読むことで、ユーザーは気づかず書き手の世界に引き込まれてしまうのです。

 次に4±1ということなので「4」と「5」についても説明していきましょう。

 「4」は、マーケティングで「SWOT(Strength強み・Weakness弱み・Opportunity機会・Threat脅威)分析」や、「4P(Product商品・Promotion販促・Place流通・Price価格)」などの言葉で使われています。

 「5」も、「AIDMA理論(Attention注意・Interest関心・Desire欲望・Memory記憶・Action行動)」「AISAS理論(Attention注意・Interest興味・Search検索・Action行動・Share共有)」などで使われています。

 数字が上に上がれば上がるほど、戦略性が増していく(俯瞰(ふかん)性が高まっていく)というのが、個人的な感想です。具体性のある話であったり、より戦術的な話であったりする場合は、「3」を用いた方が、説得力は増すと感じています。

 そういう意味で、物事をまとめていく上で、お勧めするのはやはり「3」です。使いこなせるようになると文章で人を説得しやすく(口説きやすく)なります。

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著者プロフィール

中村祐介
エヌプラス 代表取締役

中村祐介

日経BP社の記者職を経てエヌプラスを設立。ソニーやグーグル、KDDI(au)、二期リゾートなど多数の企業のマーケティングやブランディング、Web、PR、イベントなどのコンサルティングやプランニングに携わる。ビジネス書、小説、翻訳書の執筆などの創作活動を行うほか、講演活動も行う。プライベートではRIA(Rich Internet Application)コンソーシアムの運営委員や、自由大学の教授、日本冒険作家クラブに所属するなど、多種多様な活動を行う。Blogは「中村祐介のコミュニケーション戦略メモ」。近著に「ユーマネー」。


このコラムについて

ユーザーの心をつかむWeb文章術

雑誌・テレビと比べて、インターネット広告の出稿量は増え続ける一方です。デザイン面においても、大手の広告会社や広告制作会社がかかわるようになり、そのクリエーティブを評価するアワードなども、活況を呈しています。
しかし、文章やコピー表現となると、紙媒体などと比べて、まだまだ改善する余地は多くあります。SEO(検索エンジン最適化)を中心テーマとしたライティングテクニックなどは大量に本が出版され、インターネット上でも販売されているケースが見受けられますが、それと、ここでいう文章・コピー表現はまったく別モノです。
いくらSEO対策を行ったり、広告を用いたりしてユーザーに自身のWebページにアクセスしてもらうことがかなったとしても、そこに魅力的なメッセージがこめられていなければ、意味がありません。パソコンやケータイなどを使い、コンテンツを見ているユーザーの気持ちをつかむ文章表現が加わることで、初めて、ユーザーに愛されるコンテンツとなり得ます。
このコラムでは「ユーザーの心をつかむ文章術」というキーワードで、ターゲットとなる「人間」の「心」を動かす文章のあり方や、可能性について考えていきたいと思います。

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