前回は、Web文章術の基本について書きました。しかし、前回のルールを適用しても、文章そのものが面白くなかったり、整理しきれていなかったりでは効果を見込めません。そこで今回は、実際にユーザーの心をつかむためには、どのようなテクニックを使っていくか? このことについて書いていきたいと思います。
物事を分かりやすく伝える上で知っておきたい「マジカルナンバー」
実は前回の記事でマジカルナンバーを使っています。マジカルナンバーは、ジョージ・ミラーというアメリカの心理学者が発表したもので、「Wikipedia」に以下のように記載されています。
「マジカルナンバー7+-2」という論文の中で、一度聞いただけで直後に再生するような場合、日常的なことを対象にする限り記憶容量は7個前後になるということを示した。この7個というのは情報量ではなく意味を持った「かたまり(チャンク)」の数のことで、数字のような情報量的に小さなものも、人の名前のように情報量的に大きな物も同じ程度、7個(個人差により+-2)しか覚えられないということを発表した。
7±2ということで、5〜9が人の記憶容量に適した数だということです。中でも7の力は絶大で「世界の7不思議」や「七福神」など、さまざまシーンで古来より使われています。
Webサイトでも、メニューなどを作る際には、知っておくと便利です。先述のWikipediaでも、ナビゲーションは七つに設定されています。
しかし、問題解決やプレゼンテーション、そして本連載の主題であるWebの文章では、これより少ない数字を使うことが求められます。なぜなら当初から書いてきた通り、ユーザーは求める情報を早く欲しがっているからです。
また、「本を読む」などの行為と異なり、流し読みをしているケースも多いことが予測されます。
流し読みをしている中で、脳に刻み込むためには、七つでは多すぎます。ここで、マジカルナンバーをさらに低く設定し、Web文章術のルールとしたいと思います。
『Web文章術では、マジカルナンバーは4±1』
その上で、前回の記事を参照してみてください。文章を構成するためのルールを三つに分けたりしていますよね?
「3」という数字は、マーケティングでも「3C(Customer顧客・Competitor競合・Company自社)」をはじめとし、よく使われる数字です。
「3」は選択肢の範囲としてもちょうどよく、「本命のA案・抑えのB案・革新のC案」などといったように、レンジの広い提案で決着点を探すシーンでも多く採用されます。
クライアントから見積もりを要求されたとき、先方が「松・竹・梅でお願いします」なんてことを言ってくることもありますよね?
三つにまとめると、人はまとめて覚えやすいのです。まとめて覚えられるということは、読後に「理解した」という印象が強く残ります。
書き手によって意図的に整理された文章を読むことで、ユーザーは気づかず書き手の世界に引き込まれてしまうのです。
次に4±1ということなので「4」と「5」についても説明していきましょう。
「4」は、マーケティングで「SWOT(Strength強み・Weakness弱み・Opportunity機会・Threat脅威)分析」や、「4P(Product商品・Promotion販促・Place流通・Price価格)」などの言葉で使われています。
「5」も、「AIDMA理論(Attention注意・Interest関心・Desire欲望・Memory記憶・Action行動)」「AISAS理論(Attention注意・Interest興味・Search検索・Action行動・Share共有)」などで使われています。
数字が上に上がれば上がるほど、戦略性が増していく(俯瞰(ふかん)性が高まっていく)というのが、個人的な感想です。具体性のある話であったり、より戦術的な話であったりする場合は、「3」を用いた方が、説得力は増すと感じています。
そういう意味で、物事をまとめていく上で、お勧めするのはやはり「3」です。使いこなせるようになると文章で人を説得しやすく(口説きやすく)なります。
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