前回は少し視点を変えて、中学生のケータイ利用事情についてインタビューをもとに書いてみました。「インタビューもの」はなかなか準備が大変だったりはするのですが、今回、評判が良かったみたいなので、また近々やってみたいと考えています。今度は、携帯電話事業者がケータイマーケティングについてどんな考えを持っているのか、インタビュー記事を掲載する予定ですので、ご期待ください。
さて、今回は、日本ではいつの間にかあまり話題に上らなくなった感もある「iPhone」をテーマにしてみたいと思います。発売当初、話題こそ集めたものの、国内の販売台数は10万台以下といわれ、ある程度のボリュームが必要となるマーケティングの対象として注目されるということは当面ない状況かなと思います。
一方で、そもそも「ケータイマーケティング」という取り組み自体がほぼなかったといえる欧米においては、iPhoneに対する注目度はかなり高く、広告、マーケティング関連でも面白い取り組みがたくさん出てきています。今回はその辺について紹介したいと思います。
日本ではいまひとつ奮わないiPhoneですが、グローバルで見ると2008年7〜9月に出荷されたiPhone 3Gの出荷台数は690万台と、これまでスマートフォンでは独り勝ちだったリサーチ・イン・モーション(RIM)の「BlackBerry」の出荷台数をわずかな期間で抜き去りました。年内1000万台の累計出荷台数の見込みが達成可能になったと思われます。
トップシェアのノキアやサムスンが年間に出荷する1億台規模の端末に比べれば規模こそまだ小さいですが、その多くがスペックの低い端末が占めていること、iPhoneがハイスペックかつ「単一機種」であることを考えると、いかにユニークな存在であるかが分かります。ケータイマーケティングに取り組む際に、いつも課題となるキャリアの違いや端末の機種の違いへの対応がなく、iPhoneに対応するだけで1000万人にリーチできるというのは“マーケティングプラットフォーム”としてのiPhoneの大きなアドバンテージになっています。
また、アップルのマーケティングのうまさも手伝ってiPhoneはさまざまなメディアで取り上げられ続けており、「iPhoneが多数のメディアで露出(free publicity)されることによる宣伝効果は4億ドルに相当する」(米ハーバードビジネススクールのDavid Yoffie教授)というレベルまで来ています。グローバルに展開する国際ブランド企業などにとっては話題性という意味でも、マーケティングプラットフォームとして十分に取り組む価値のあるものになってきています。
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