「カンバセーショナルマーケティングの近未来」

カンバセーショナルマーケティングの近未来

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2008年11月19日(水)

話題にならなかったサービスに“お祭り”が起こるきっかけ

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 前回のコラムでは、全くの無名に近い状態から、一気に利用者を増やすことに成功したWebサービスの例として、イラストコミュニティの「pixiv」を紹介しました。

 pixivの場合はスタート直後からニュースサイトで記事に取り上げられて、スタート後20日間で1万人の利用者を集めました。最初からうまくいきすぎだと思う人もいるでしょう。

 そこで今回は、pixivとは異なるパターンでクチコミの伝播に成功した「iKnow!」というWebサイトの例を紹介したいと思います。

サービス開始1年で、ユーザーの総利用時間が200万時間を超えるサイトに

 iKonw!は英語学習ができるコミュニティサイトです。英会話学校に通う代わりに、独学で英語を学習できるeラーニング的な機能を提供しています。

 このサイトも前回のコラムで紹介したpixivと同様、まだサービス開始から1年ちょっとしか経過していない新しいサービスですが、既にこちらも30万人近いユーザーを集め、全ユーザーの総学習時間が200万時間にも達するという人気サイトです。

 iKonw!を運営するセレゴ・ジャパン(東京都渋谷区)は会社の設立こそ2000年ですが、サービス開始当初、ネット上ではほぼ無名。それがサービス開始から1年でこれだけのWebサイトに成長したわけですから、そのサービスの魅力が非常に高いことはお分かりいただけるかと思います。

 ただ、今回のiKonw!のケースは、前回紹介したpixivのようにサービス開始直後から利用者が殺到するような順風満帆なスタートをきったわけではありません。

 今回のコラムでは、その人気がブレイクしたポイントを探ってみたいと思います。

サービス開始直後のクチコミ伝播は

 iKonw!の話題を振り返ってみると、2007年10月1日のサービス開始直後には、サービスがネット上でもあまり話題になっていないことが分かります。

 pixivの場合は、個人運営のサービスにもかかわらずサービス開始当日にアイティメディアが運営するニュースサイト「ITmedia」に取り上げられ、20日間で1万人の会員を集めるスタートダッシュに成功しています。

 iKonw!の場合は、2007年10月〜11月の下旬にかけて話題になっている気配はそれほど無く、グーグルが提供する検索利用状況の解析ツール「Google Trends」のデータを見てもそれは明らかです。

●2007年11月末にかけてGoogleでのiKonw!の検索回数が急増しており、それ以前のデータは圏外

●2007年11月末にかけてGoogleでのiKonw!の検索回数が急増しており、それ以前のデータは圏外


 その後のサービスの成長を見れば、iKonw!がしかるべきターゲットには非常に愛されるサービスであり、話題を呼ぶサービスであることは証明されていますが、この10月の時点ではクチコミの伝播のボリュームがまだまだ足りなかったと想像できます。

 以前の「クチコミが広がる時間を買ってファン獲得を加速させる」というコラムでも書きましたが、どんなサービスでも最初は会員1人から始まるわけですから、仮に非常に話題になるサービスだったとしても、1人が数人に紹介する程度の話題の伝播では数千人、数万人にクチコミが届くまで長い時間がかかってしまうわけです。

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著者プロフィール

徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
アジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役社長

徳力基彦  NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。
 個人でも「tokuriki.com」や「ワークスタイル・メモ」等の複数のブログを運営するなど、幅広い活動を行っており、著書に「デジタル・ワークスタイル」、「アルファブロガー」等がある。


このコラムについて

カンバセーショナルマーケティングの近未来

 インターネットの普及や技術の進化により、企業と利用者の関係は大きく変化しようとしています。検索技術やモバイル、動画など、めざましい技術の進化に目をうばわれがちな一方で、着実に存在感を増しているのが利用者の会話やクチコミです。インターネットを通じたマーケティングで本当に重要なのは、利用者の会話に耳を傾け、会話に参加し、一緒に考えていくことではないでしょうか?
 このコラムでは、「カンバセーショナルマーケティング」というキーワードで、利用者の会話に注目したマーケティングのあり方や可能性について考えていきたいと思います。

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