「カンバセーショナルマーケティングの近未来」

カンバセーショナルマーケティングの近未来

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2008年11月26日(水)

テレビや雑誌を組み合わせて成功したユニリーバのクチコミキャンペーン

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 前回までのコラムでは、「iPhone」や「Wii」など非常に話題を呼んだ製品、そして「pixiv」や「iKnow!」など短期間に多くの利用者を集めたWebサービスにおける取り組みを紹介しました。

 ただ、これらの事例は、どれも製品やサービス自体に分かりやすい特徴があるケースですから、自分の会社では参考にならないと思っている方も多いかもしれません。そこで、今回は、機能自体にはそれほど大きな特徴がない製品のマーケティング事例を紹介したいと思います。

 まず今回、紹介するのはユニリーバの「Dove(ダヴ)」の事例です。

 Doveのブランドで店頭に並ぶのは石けんやシャンプー。もちろん、その製品の良さが緩やかにクチコミを呼ぶことはありますが、iPhoneやWiiのように、明らかに画期的な製品はなかなか生まれにくく、短期的に製品の機能自体でバズやバイラルを起こすのは難しい業界といえると思います。

 ただ、Doveにはさまざまなバズやバイラルの事例があります。ネットマーケティングの世界で有名なのは下記の「Evolution」というビデオでしょう。

 2006年10月に公開され、1カ月で200万回以上再生された有名なバイラルビデオで、現在では800万回を超えようかという状態になっていますから、マーケティング関係者の方で知らない方は少ないかもしれません。

 もともと、Doveというブランドには、化粧品やファッション広告・雑誌のモデルのみが美しいというメッセージを送り続けるマスコミや広告業界に対抗して、一人一人の女性が自分のことを美しいと感じられる世界を目指している、という背景があります。

 このEvolutionというビデオは1分15秒という短いビデオながら、そのメッセージが強烈に伝わってくると言う意味で、単に話題になるだけでなく、企業のメッセージも伝えることができているバイラルビデオの代表的な成功事例ということができると思います。

 ただ、DoveのEvolutionは確かに画期的な事例ではあるのですが、バイラルビデオ一つでここまで有名になるのは、非常に難しいのが実情です。

 当時は、まだ走りだったバイラルビデオに対してユニリーバのような大企業が取り組む例は少なく、マーケティング業界からも注目が集まったこともあり話題が加速したといえます。実際、翌年に公開された第二弾のビデオの再生回数は30万回にとどまっています。(もちろん30万回でも、バイラルビデオにおいては十分成功に分類されると思います)。

 そこで、今回注目したいのは、このEvolutionの翌年の2007年2月にユニリーバが実施した「Real Beauty・Pro Age」という別のキャンペーンです。下記のようなインパクトのある動画で有名ですから、ご覧になった方がいらっしゃるかもしれません。

 ここで注目したいのは、このキャンペーンがバイラルビデオのみで実施されたのではないという点です。最新広告手法に詳しい「Ad Innovator」のブログを執筆している織田浩一氏によると、このキャンペーンでは下記のような施策が並行して展開されていたそうです。

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著者プロフィール

徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
アジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役社長

徳力基彦  NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。
 個人でも「tokuriki.com」や「ワークスタイル・メモ」等の複数のブログを運営するなど、幅広い活動を行っており、著書に「デジタル・ワークスタイル」、「アルファブロガー」等がある。


このコラムについて

カンバセーショナルマーケティングの近未来

 インターネットの普及や技術の進化により、企業と利用者の関係は大きく変化しようとしています。検索技術やモバイル、動画など、めざましい技術の進化に目をうばわれがちな一方で、着実に存在感を増しているのが利用者の会話やクチコミです。インターネットを通じたマーケティングで本当に重要なのは、利用者の会話に耳を傾け、会話に参加し、一緒に考えていくことではないでしょうか?
 このコラムでは、「カンバセーショナルマーケティング」というキーワードで、利用者の会話に注目したマーケティングのあり方や可能性について考えていきたいと思います。

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