若者が海外旅行に行かなくなったという報道を最近よく耳にするようになりました。
実際に20〜29歳の海外旅行者数は1996年の463万人から、2006年には298万人にまで減少しています。10年で約35%。大幅な減少です。少し前までのドル高、ユーロ高の影響かもしれませんが。
こうした変化について、多くのメディアは若者の嗜好(しこう)が原因と指摘しています。好奇心の欠如や、旅行は近場で済まそうといった若者の考え方や嗜好性が昔と大きく変わったという指摘です。
日経MJでも若者の淡白な気質を「淡々民」というネーミングで総称しています。肉より魚を好み、伝統的な和風文化も好き。デートは自宅が多く、クリスマスも普段着で恋人と会い、プレゼントにジュエリーや花束は贈らないという消費行動をとる20代が増えているという調査結果から付けられたネーミングです。
私は20代ではないので、このような指摘が本当に正しいかどうかは分かりませんが、肌感覚では感じるところもありました。
私が学生の1990年代前半はバブル崩壊後の時代でした。数歳上の先輩はまさにバブル期を過ごした世代であり、私自身バブル時代を過ごしたことはないにしても、バブルの空気は子供ながらに感じたことがありました。
できればいい車に乗りたいし、海外にも行きたい。彼女の誕生日には背伸びして高級レストランを予約したいと思っていた世代です。このころはやっていたドラマは「東京ラブストーリー」、「101回目のプロポーズ」、「愛という名のもとに」などです。また「電波少年」など世界を放浪する番組は高い視聴率を誇っていました。
振り返ると今までの消費スタイルにはロールモデルがあったのではないかと思います。例えば、マンガで「キャプテン翼」がヒットしたことにより、日本中の小学生にワールドカップの存在を知らしめ、サッカー人口を増大させました。これがJリーグの発足やワールドカップ出場につながっていると思いますし、「私をスキーに連れてって」という映画がスキーブームを引き起こしました。
海外旅行においても、沢木耕太郎の「深夜特急」や、電波少年に出演した「猿岩石」、「ドロンズ」に影響を受け、世界をバックパックで回る若者がたくさんいたと思います。
海外旅行に行く若者が減ったのは若者の気質が変わったのではなくて、そのようなロールモデルが無いからなのではないでしょうか?
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