「カンバセーショナルマーケティングの近未来」

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2008年12月10日(水)

「UNIQLOCK」がロングヒットを続ける理由とは(後編)

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 今回のコラムも前回に引き続き、ユニクロの「UNIQLOCK」の事例を見ていきます。

 前回は、主にUNIQLOCKのブログパーツのコンセプトや特徴を中心にUNIQLOCKが成功したポイントについて考えてみましたが、今回はブログパーツ以外のポイントについて考えてみたいと思います。

まとめサイトを通じて、キャンペーンの盛り上がりを可視化

 まず注目したいのは、UNIQLOCKでは、単純にブログパーツを提供しているだけでなく、「WORLD.UNIQLOCK」というまとめページを提供している点です。

 通常、ブログパーツを張るという行為は一つひとつのブログでパーツを張るという個人の行為ですが、このWORLD.UNIQLOCKにおいては、世界中のどんなブログにUNIQLOCKが張られているかを一望できます。

●WORLD.UNIQLOCK

●WORLD.UNIQLOCK


 ブログパーツを張っている人数や国の数、累計の表示回数などを閲覧できるため、現在、UNIQLOCKがどれぐらい盛り上がっているかをリアルタイムで把握できます。また、ブログパーツを張っているブログの一覧や、ブログごとの表示回数なども見られるので、UNIQLOCKを張っているのが自分だけでないことを確認できます。

 UNIQLOCKを張っている人たちは、このサイトで世界中の人たちがUNIQLOCKを通じてつながっており、自分が大きな“お祭り”に参加していることを再認識できるわけです。

 当然、こういった可視化はリスクもあります。キャンペーンが全く盛り上がらなかった場合にそれも可視化されてしまうためです。ただ、この可視化がなければ、UNIQLOCKのブログパーツはあくまでバラバラのパーツでしかありません。

 WORLD.UNIQLOCKのようなまとめサイトを活用して、参加者のつながりや、キャンペーンの盛り上がりを可視化することは、参加者の参加意識や盛り上がりを高める意味で重要な役割を果たしていると言えます。

マルチプラットフォーム、マルチデバイスにコンテンツを展開

 また、UNIQLOCKではいわゆる文字通りの「ブログパーツ」だけにこだわらずに、多面的にコンテンツの配布を行っている点も注目です。

 例えば、UNIQLOCKはグローバルに展開しているということもあり、「Facebook」や「MySpace」といった海外のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にも対応しています。これらのSNSでは、ブログにブログパーツを張るのと同じように、プロフィルページなどにコンテンツを掲載できます。その機能を利用して自分のページにUNIQLOCKを張るというわけです。日本でも今後、mixiが同様の仕組みに対応するようですから、UNIQLOCKがmixiに対応するのは時間の問題かもしれません。

 さらにUNIQLOCKは、パソコンのスクリーンセーバーとしても配布しており、最近では「iPhone」や「iPod touch」のアプリケーション版もリリースしました。ブログパーツはブログを持っている人しか使えませんが、これらのツールはパソコンやiPhoneを持っていれば誰でもダウンロードできます。

 もちろん、スクリーンセーバーやアプリケーションは、ブログパーツのようにネットを経由して見られることはありませんからネットを通じたクチコミにはつながりません。ただし、職場や学校などのリアルな場でクチコミが広がる可能性もあります。せっかく作ったコンテンツですから、こうやってマルチプラットフォーム、マルチデバイスに対応させていくという姿勢は非常に参考になると思います。

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著者プロフィール

徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
アジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役社長

徳力基彦  NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。
 個人でも「tokuriki.com」や「ワークスタイル・メモ」等の複数のブログを運営するなど、幅広い活動を行っており、著書に「デジタル・ワークスタイル」、「アルファブロガー」等がある。


このコラムについて

カンバセーショナルマーケティングの近未来

 インターネットの普及や技術の進化により、企業と利用者の関係は大きく変化しようとしています。検索技術やモバイル、動画など、めざましい技術の進化に目をうばわれがちな一方で、着実に存在感を増しているのが利用者の会話やクチコミです。インターネットを通じたマーケティングで本当に重要なのは、利用者の会話に耳を傾け、会話に参加し、一緒に考えていくことではないでしょうか?
 このコラムでは、「カンバセーショナルマーケティング」というキーワードで、利用者の会話に注目したマーケティングのあり方や可能性について考えていきたいと思います。

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