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2008年12月12日(金)

第51回:日本の技術者のみなさん、ブランドを開発しませんか?

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 100年に一度の危機は、「日本」という国のあり方を考えるいい機会かもしれません。そんな悠長なことは言ってられない、というおしかりを受けそうですが、こんなことにでもならなければ、「変えるためには?」というきっかけさえつかめなかったかもしれません。

 暗い気持ちにばかりなっていても仕方ありませんから、前向きに行ってみましょう。

 日本という国は、つくづく技術立国です。小さいもの、使いやすいもの、見た目にやさしいものを作るという観点では、世界に並ぶ国はないでしょう。職人技というか、発想力というか、自慢の種です。

 この素晴らしい職人技が、継承者がいないことで、消えてなくなりそうだという傾向には、大きな不安を感じています。

 しかし一方で、技術力がすべてと思い込みすぎている危険性もあります。特に、技術力を売り物にしてきたメーカーは、技術開発を最優先させてきたために、あまりに「機能」を重視しすぎる。そのために、本当に消費者にとって必要かどうか疑わしい機能までをも声高に訴えています。

 携帯電話の機能、何を使っていますか?通話?メール?ウェブ?デジタルカメラはどうでしょう。1000万画素のカメラを誰が必要としていますか?コピー機にプリンターがついているのはうれしいとしても、いろいろ機能がありすぎて、使いきれない、故障するという経験はありませんか?

 そうです、技術開発競争はいいとしても、重箱の隅をつついているようで、消費者不在。なんだか、技術信仰という十字架を背負わされているような気がします。

 また、どこのメーカーにお伺いしても感じることですが、技術者をとても大事にされていて素晴らしいなあ、と思う半面、技術畑には口を出すな、という空気も感じられます。

 それで気になるのは、消費者を向いて技術を開発しているのだろうかということ。技術を高めるのはいいのですが、それを消費者が求めているのか、それとも消費者は違うことを望んでいるのか。そのためには、消費者の心の奥底のあるインサイトを知らなければなりません。それこそが、技術を役立てるために必要なことなのに。

 最近よく言われる、日本の携帯電話の「ガラパゴス化」。お隣の台湾の製品は、機能が格段に落ちているのに、グローバルスタンダードとして受け入れられている。この事実が物語っているのは、人間はもう少しいい加減な使い方をするということです。

 とすれば、マイナスの技術開発はどうなのでしょうか。しかし、マイナスと言うと、思い浮かべるのは、「らくらくホン」。すぐに年寄り向け=後退になってしまうところが、技術社会日本の典型です。そうではなく、必要なものだけに特化すると考える。そうすれば違う答えが生まれるのではないでしょうか。

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著者プロフィール

関橋 英作(せきはし・えいさく)

関橋 英作 マーケティング・コミュニケーション・ユニットMUSB
青森県生まれ。
外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当。その多くを、トップブランドに導き、ギャラクシー賞グランプリをはじめ、NYADC賞、ACC賞など数多く受賞した。特にキットカットにおいては、クリエイティブの斬新さに加え、ビジネスの結果を出さなければ受賞できないAME賞(アジア・マーケティング・イフェクティブ賞)を2年連続グランプリの快挙。アジアマーケットナンバーワンを勝ち得た。また、日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラーを取得。消費者インサイトを深く洞察する。女子美術大学・拓殖大学非常勤講師。


このコラムについて

マーケティング・ゼロ

メール・マーケティングに始まり、アフィリエイト、検索連動型広告、コンテンツ連動型広告、動画広告にRSS広告などなど実に多彩な発展を遂げているネットマーケティング。こうした広告のプラットフォームが次々と登場することは喜ばしい半面、企業は踊らされがちになります。本来、マーケティングとは何だったか?これを忘れそうになったときに皆様を原点に引き戻す、そういうコラムを目指しています。テクノロジーがどれだけ進化したとしても、マーケティングの原点はいつの日も変わらないのですから。

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