自由奔放でありながら、義に厚い篤姫の物語も終わってしまいました。いつもながら、一つのドラマにはまってしまうと、感情移入が強く、涙あり憤慨あり。政治変革期のドラマだけに、今の日本をオーバーラップさせながら、一人勝手に一喜一憂しながら見入っていました。
当初は、あまり話題に上りませんでしたが、回を追うごとに視聴率は上昇。年間平均24.5%、第48回は29.2%を記録するまでに至りました(関東地区)。再放送も含めたら、視聴率は何%になるのか予想もつきません。
よく言われている、篤姫人気の秘密は、「強い女性が主人公」「テンポが遅く感情移入がしやすい」(この遅さが嫌だという人も当初は多くいましたが、逆の現象が起きています)「キャストが新鮮」「小松帯刀にスポットライト」「宮崎あおいさんがかわいくりりしい」そして、「思っていることを誰に対してもズバッと言えること」などでしょうか。
しかも、1回当たりの制作費は、近年の大河ドラマの中では最も低いそうです。映像を仕事にしていますから、そのあたりは、よく分かります。戦闘シーンもあまりないし、ほとんどが同じセットの中で行われるドラマ。
違うのは、人間心理群像劇とでも言ったほうがいいほど、違うタイプの人間とのコミュニケーションをテーマにしていることです。
これほどの人気を持った篤姫。注意して見ていると、「篤姫式」とも思えるような戦術が見え隠れしているのです。それこそが、今の日本を再生させるヒント?私にはそう思えてなりません。何しろ、何千万人の支持者がいるのですから。
まず、人気の裏理由というか深層心理的理由は、今の日本、いや世界が大きな転換期にいるからということ。篤姫も、300年の長きに続いた価値観、つまり身動きができないほどの固定観念を、見事なほどに解きほぐしたのです。
見ている側は、日常的に自分のできないイライラを、パッとやってしまう篤姫に、涙を通して喝采を送っていたのでしょう。
そのガチガチに凝り固まった価値観に立ち向かった「篤姫式」のすごいところは、グローバルコミュニケーションを本能的に実践していること。価値観の違う人たちを、次々と説得し味方に付けてしまうところです。
今風に言えば、異文化コミュニケーション。そういう意識のない時代に、一番難しいことを軽々とやっているところが、篤姫の圧倒的にすごいところなのです。
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