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2008年12月19日(金)

第52回:篤姫は今の日本も救う

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 自由奔放でありながら、義に厚い篤姫の物語も終わってしまいました。いつもながら、一つのドラマにはまってしまうと、感情移入が強く、涙あり憤慨あり。政治変革期のドラマだけに、今の日本をオーバーラップさせながら、一人勝手に一喜一憂しながら見入っていました。

 当初は、あまり話題に上りませんでしたが、回を追うごとに視聴率は上昇。年間平均24.5%、第48回は29.2%を記録するまでに至りました(関東地区)。再放送も含めたら、視聴率は何%になるのか予想もつきません。

 よく言われている、篤姫人気の秘密は、「強い女性が主人公」「テンポが遅く感情移入がしやすい」(この遅さが嫌だという人も当初は多くいましたが、逆の現象が起きています)「キャストが新鮮」「小松帯刀にスポットライト」「宮崎あおいさんがかわいくりりしい」そして、「思っていることを誰に対してもズバッと言えること」などでしょうか。

 しかも、1回当たりの制作費は、近年の大河ドラマの中では最も低いそうです。映像を仕事にしていますから、そのあたりは、よく分かります。戦闘シーンもあまりないし、ほとんどが同じセットの中で行われるドラマ。

 違うのは、人間心理群像劇とでも言ったほうがいいほど、違うタイプの人間とのコミュニケーションをテーマにしていることです。

 これほどの人気を持った篤姫。注意して見ていると、「篤姫式」とも思えるような戦術が見え隠れしているのです。それこそが、今の日本を再生させるヒント?私にはそう思えてなりません。何しろ、何千万人の支持者がいるのですから。

 まず、人気の裏理由というか深層心理的理由は、今の日本、いや世界が大きな転換期にいるからということ。篤姫も、300年の長きに続いた価値観、つまり身動きができないほどの固定観念を、見事なほどに解きほぐしたのです。

 見ている側は、日常的に自分のできないイライラを、パッとやってしまう篤姫に、涙を通して喝采を送っていたのでしょう。

 そのガチガチに凝り固まった価値観に立ち向かった「篤姫式」のすごいところは、グローバルコミュニケーションを本能的に実践していること。価値観の違う人たちを、次々と説得し味方に付けてしまうところです。

 今風に言えば、異文化コミュニケーション。そういう意識のない時代に、一番難しいことを軽々とやっているところが、篤姫の圧倒的にすごいところなのです。

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著者プロフィール

関橋 英作(せきはし・えいさく)

関橋 英作 マーケティング・コミュニケーション・ユニットMUSB
青森県生まれ。
外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当。その多くを、トップブランドに導き、ギャラクシー賞グランプリをはじめ、NYADC賞、ACC賞など数多く受賞した。特にキットカットにおいては、クリエイティブの斬新さに加え、ビジネスの結果を出さなければ受賞できないAME賞(アジア・マーケティング・イフェクティブ賞)を2年連続グランプリの快挙。アジアマーケットナンバーワンを勝ち得た。また、日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラーを取得。消費者インサイトを深く洞察する。女子美術大学・拓殖大学非常勤講師。


このコラムについて

マーケティング・ゼロ

メール・マーケティングに始まり、アフィリエイト、検索連動型広告、コンテンツ連動型広告、動画広告にRSS広告などなど実に多彩な発展を遂げているネットマーケティング。こうした広告のプラットフォームが次々と登場することは喜ばしい半面、企業は踊らされがちになります。本来、マーケティングとは何だったか?これを忘れそうになったときに皆様を原点に引き戻す、そういうコラムを目指しています。テクノロジーがどれだけ進化したとしても、マーケティングの原点はいつの日も変わらないのですから。

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