「米国ネットマーケティング茶話」

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2009年2月2日(月)

「オバマキャンペーン」をマーケティングの観点から分析する(3)

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オバマ大統領の就任式の熱狂:全米で14億通以上のSMSが飛び交うと予測

 2009年1月20日、バラク・オバマ氏は44代目の米大統領に就任しました。就任式ではワシントンのナショナルモールに推定180万人が集まり、オバマ氏の宣誓とスピーチを聴き入りました。この巨大な群集の多くは、星条旗をかざしながら新大統領誕生の瞬間に熱狂していました。そのとき、ほとんどの人たちが手にしていたのが「携帯電話」です。多くの人たちは、大統領誕生の感動をショート・メッセージ・サービス(SMS)によるメールや、撮影した写真をメールに添えて家族や友人に送信しました。

 オンラインのセキュリティサービスを提供する米ベリサインは事前に、2008年11月4日の選挙の投票日に送られた8億3000万通のSMSを上回る14億通以上のメッセージが、就任式が行われる1月20日に送られると予測していました(まだ実数は発表されていません)。

副大統領候補発表時には、290万人にSMSを送信

 ケータイ関連のイベントなどを手掛ける米CTIAは、2008年に米国では、推定6000億通のSMSが発信されたと発表しています。そのうち、最大級のトラフィックが発生した日の一つとして、オバマ陣営が副大統領候補の発表をした2008年9月3日が挙げられます。オバマキャンペーンの先進性は、ソーシャルメディアを駆使したオンライン戦略だけではありません。副大統領候補にジョー・バイデン氏を任命する発表では、オバマ陣営はマスメディアよりも先にサポーターに知らせたいと考え、オプトインでメールングリスト(ML)に登録した人たちに、パソコン向けのeメールとSMSを通じて発表しました。このSMSを受信するために、MLに登録したサポーターは290万人という膨大な数となり、米国で最大のケータイのSMSキャンペーンとなりました。常に持ち歩き、身につけているケータイというコミュニケーションツールを活用して、オバマ陣営は多くのサポーターと深いレベルでエンゲージしていることは、この点でもよく理解できます。

 また、CTIAは米国のケータイの契約者の人数を2億7000万人以上と発表していますが、これは米国の全人口のおよそ84%に当たります。ケータイ向けのSMSが20〜30代の若年層のみへのリーチにしかつながらないと考えるのは早計で、現在米国では幅広い年齢層に浸透し続けています。早くからケータイが持つ“チカラ”を認知していたオバマ陣営は、SMSはもちろんのこと、ケータイサイト、インタラクティブな音声による返信、ケータイ動画、ケータイ向けのバナー広告、といったさまざまなケータイマーケティングを組み合わせて、ユーザにパーソナルに訴求していました。

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著者プロフィール

大柴 ひさみ(おおしば・ひさみ)

大柴 ひさみJaM Japan Marketing LLC代表。日米のマーケティング・ビジネスを橋渡し米国シリコンバレーで、日米のマーケティング・ビジネスのファシリテイターとして、戦略の開発実施・調査分析などのコンサルティング・サービスを提供するJaM Japan Marketing LLCの創設者/パートナー。日本の広告代理店の電通ヤングアンドビルカム、米国広告代理店マッキャン・エリクソンを経て、20年間に渡る日米間のビジネス経験を生かして、1998年にJaM Japan Marketingを設立。「Peer to Peer」(P2P)、「WOM」(Word of Mouth)などを活用した最新のマーケティング手法に注目したサービスを提供している。
ブログ「ひさみをめぐる冒険」を執筆中。本ウェブでは以前「米国ネットの“ざわめき”を聴く」を連載した。


このコラムについて

米国ネットマーケティング茶話

米国の金融危機に端を発した、世界的不況の真っただ中に立たされた米国企業はこの 状況下でどのようなネットマーケティングを展開しているのか。 このコラムでは、 米国在住の著者が米国ネットマーケティングのトレンドをコラム形式で、マーケッ ターとしての立場だけではなく、米国在住の一般消費者の視点も加味しながら紹介し ていきます。

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