以前、このコラムで「土用の丑の日と昼キャバに見るブルーオーシャン戦略」で紹介した平賀源内。もともと夏に食べる習慣のなかったうなぎを、土用の丑の日キャンペーンを展開することによって庶民に習慣として定着させることに成功しました。このようなキャンペーンで最も成功したものの一つは「バレンタインデー」だと思います。
2月14日のバレンタインデーは女性が好きな男性にチョコレートを贈るという日本人なら誰でも知っている風習ですが、「女性から男性」で、かつ「贈り物がチョコレートに限定される」のは日本独特です。欧米のバレンタインデーは、男女ともに異性にカードや花やケーキを贈るというものであり、チョコレートを贈るという行為は存在しません。
日本でこの習慣が根付いた歴史について、Wikipediaで以下のように記されています。
日本でのバレンタインデーとチョコレートとの歴史は、神戸モロゾフ洋菓子店が1936年2月12日に、国内英字雑誌に「バレンタインチョコレート」の広告を出し、1958年2月に伊勢丹新宿本店でメリーチョコレートカムパニーが「バレンタインセール」というキャンペーンを行った。ただどちらにしても、あまり売れなかったようである。新宿伊勢丹でのセールでは、1年目は3日間で50円の板チョコが3枚、20円のカードを含め170円しか売れなかった。ソニー創業者の盛田昭夫は、1968年に自社の関連輸入雑貨専門店がチョコレートを贈ることを流行させようと試みたことをもって「日本のバレンタインデーはうちが作った」としている。
その後も似たような状況が続いていたが、1960年に森永製菓が新聞キャンペーンを行なうなど製菓会社が積極的に動き出した結果、日本の文化として根付くようになり、現在に至っている。
モロゾフが1936年に初めてキャンペーンを打ち、1960年の森永製菓の新聞キャンペーンで日本の文化として根付いたと記されていますが、実に24年の長い月日をかけて定着した習慣なのですね。
これだけ長い時間をかけて定着させたキャンペーンだけに、そのキャンペーン効果は絶大です。
日本チョコレート・ココア協会の発表によるとチョコレートの国内消費額の約12%がバレンタインデーシーズンに消費されています。金額にしてなんと530億円(2005年実績)です(日本チョコレート・ココア協会のページ)。
バレンタインデーが無ければ生み出されなかった消費だと考えると、バレンタインデーキャンペーンは毎年500億円もの新規需要を生み出したということになります。
もともと好きな男性に女性が贈るというコンセプトのバレンタインデーキャンペーンですが、それだけでは500億円市場までは伸びなかったのではないかと思います。感覚値ですが500億円のうち60〜70%は、好きな男性に贈る本命チョコではない、義理チョコの市場ではないでしょうか。
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