麻生首相が繰り出す“言葉の軽さ”がクローズアップされています。先だっても「私は郵政民営化に賛成ではなかった」と衆院予算委員会で答弁したかと思えば、4日後に同じ予算委で「(総務相在任の)2年間でそれなりに勉強して、民営化した方がいいと最終的に思った」と言い直す。批判を受けての答弁修正で、論理に一貫性が感じられず、これでは本人が何を考えているのか、分かったものではありません。
昨年相次いで発覚した「食品偽装」問題の中では、例えば牛肉を偽って販売していた「丸明」は二転三転の末、偽装を認めました。消費期限や生産地を偽ることは、言葉の力を用いて人をだます、悪らつな手口です。さらに、その偽りを隠すために、記者会見などでその場しのぎの言葉を繰り出し、次々に言い分が変わりました。
麻生首相の答弁にせよ、食品偽装の手口や露見したときにせよ、その記者会見の共通の問題点は説明、論理の一貫性です。
では、なぜこのようなブレのある情報発信をしてしまうのでしょう。
そこにあるのは、「情報発信」を「点」でとらえる過ちと、「言葉の力」の軽視でしょう。人の脳は情報を点ではなく、「線」でとらえていきます。過去の情報は、そう簡単にはリセットされないのです。
結果として、自ら「信頼の低下」という津波を引き起こしてしまうわけです。
この話は、私たちのような企業における広報や広告、マーケティングにかかわる人間にとって、ひとごとではありません。情報発信を行う人間は、その発信先が社内・社外に関係なく、常に「言葉の重み」を意識する必要があります。
言葉や論理に一貫性を持たせるのはもちろんのこと、情報発信者は、情報を偽装することも簡単にできてしまうので、いかに真摯(しんし)に本当のことを伝えるかということが大切になってきます。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。













