「ユーザーの心をつかむWeb文章術」

ユーザーの心をつかむWeb文章術

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2009年2月23日(月)

情報発信を「線」でなく「点」でとらえる過ち

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 麻生首相が繰り出す“言葉の軽さ”がクローズアップされています。先だっても「私は郵政民営化に賛成ではなかった」と衆院予算委員会で答弁したかと思えば、4日後に同じ予算委で「(総務相在任の)2年間でそれなりに勉強して、民営化した方がいいと最終的に思った」と言い直す。批判を受けての答弁修正で、論理に一貫性が感じられず、これでは本人が何を考えているのか、分かったものではありません。

 昨年相次いで発覚した「食品偽装」問題の中では、例えば牛肉を偽って販売していた「丸明」は二転三転の末、偽装を認めました。消費期限や生産地を偽ることは、言葉の力を用いて人をだます、悪らつな手口です。さらに、その偽りを隠すために、記者会見などでその場しのぎの言葉を繰り出し、次々に言い分が変わりました。

 麻生首相の答弁にせよ、食品偽装の手口や露見したときにせよ、その記者会見の共通の問題点は説明、論理の一貫性です。

 では、なぜこのようなブレのある情報発信をしてしまうのでしょう。

 そこにあるのは、「情報発信」を「点」でとらえる過ちと、「言葉の力」の軽視でしょう。人の脳は情報を点ではなく、「線」でとらえていきます。過去の情報は、そう簡単にはリセットされないのです。

 結果として、自ら「信頼の低下」という津波を引き起こしてしまうわけです。

 この話は、私たちのような企業における広報や広告、マーケティングにかかわる人間にとって、ひとごとではありません。情報発信を行う人間は、その発信先が社内・社外に関係なく、常に「言葉の重み」を意識する必要があります。

 言葉や論理に一貫性を持たせるのはもちろんのこと、情報発信者は、情報を偽装することも簡単にできてしまうので、いかに真摯(しんし)に本当のことを伝えるかということが大切になってきます。

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著者プロフィール

中村祐介
エヌプラス 代表取締役

中村祐介

日経BP社の記者職を経てエヌプラスを設立。ソニーやグーグル、KDDI(au)、二期リゾートなど多数の企業のマーケティングやブランディング、Web、PR、イベントなどのコンサルティングやプランニングに携わる。ビジネス書、小説、翻訳書の執筆などの創作活動を行うほか、講演活動も行う。プライベートではRIA(Rich Internet Application)コンソーシアムの運営委員や、自由大学の教授、日本冒険作家クラブに所属するなど、多種多様な活動を行う。Blogは「中村祐介のコミュニケーション戦略メモ」。近著に「ユーマネー」。


このコラムについて

ユーザーの心をつかむWeb文章術

雑誌・テレビと比べて、インターネット広告の出稿量は増え続ける一方です。デザイン面においても、大手の広告会社や広告制作会社がかかわるようになり、そのクリエーティブを評価するアワードなども、活況を呈しています。
しかし、文章やコピー表現となると、紙媒体などと比べて、まだまだ改善する余地は多くあります。SEO(検索エンジン最適化)を中心テーマとしたライティングテクニックなどは大量に本が出版され、インターネット上でも販売されているケースが見受けられますが、それと、ここでいう文章・コピー表現はまったく別モノです。
いくらSEO対策を行ったり、広告を用いたりしてユーザーに自身のWebページにアクセスしてもらうことがかなったとしても、そこに魅力的なメッセージがこめられていなければ、意味がありません。パソコンやケータイなどを使い、コンテンツを見ているユーザーの気持ちをつかむ文章表現が加わることで、初めて、ユーザーに愛されるコンテンツとなり得ます。
このコラムでは「ユーザーの心をつかむ文章術」というキーワードで、ターゲットとなる「人間」の「心」を動かす文章のあり方や、可能性について考えていきたいと思います。

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