前回のコラムでは、インターネットの登場によりPR(パブリックリレーションズ)の役割や業務範囲が大きく変わろうとしている、という話を紹介しました。
同じように、インターネットの登場により、その役割が大きく変わり注目を集めているのが「クチコミ」です。
もちろん、以前に「クチコミマーケティングを失敗させる三つの誤解」というコラムで紹介したとおり、クチコミというキーワード自体はインターネットと一緒に生まれたものではありません。
インターネットが登場する以前でも、クチコミで情報が広がりやすい主婦や女子高生などのコミュニティに対し、積極的にアプローチをしていくことで、製品の話題を盛り上げようという手法が存在しましたし、ネットを活用したクチコミマーケティングにおいても、クチコミが対面で伝播するというケースもあります。
最近では「価格.com」や「@cosme(アットコスメ)」など、利用者のクチコミが集められたサイトを、「クチコミサイト」や「クチコミ情報サイト」と呼ぶことが多いため、ネット上のクチコミというキーワードを聞くとこれらのWebサイトをイメージする方が多いようです。
また、ここ数年、「クチコミマーケティング」というキーワードで、ネット上で話題を伝播させる手法を強調していた企業が多かったために、クチコミと聞くとネット上で広がるという印象でとらえている方も多いようです。
そういう意味で、現在のクチコミというキーワードほど、さまざまな意味で利用され、また誤解されているキーワードは無いでしょう。
もともとクチコミという言葉は、マスメディアによるマスコミュニケーションであるマスコミに対する言葉として、「口頭でのコミュニケーション」つまり、口から口へと伝えられるコミュニケーションから生まれた言葉だといわれています。
マスコミュニケーションが、マスメディアからのトップダウンで、大量の人に話題を一気に伝播させる力を持っているのに対し、クチコミというのは一人ひとりの口から口へとボトムアップで伝播していくと考えていいでしょう。
このクチコミは以前から、効果的に活用することで製品の話題をうまく広げられると認知されていました。ただ、それはあくまで、一部のコミュニティにおける限定的な効果と考えるのが一般的だったと思います。
それを劇的に変えたのが、いうまでもなくインターネットです。
「飲み屋での『会話』とネットでの『会話』」というコラムでも書いたように、ネットの会話には、距離や時間の制約がありません。
これにより、クチコミは従来の口から口へと言う物理的な伝播力の限界から解き放たれ、大きな可能性を持つ手段として注目されるようになっているわけです。
ただ、ここで注意していただきたいのは、一口にネット上のクチコミと言っても、マーケティングの視点で見ると、その性質や役割は実際には手段によって大きく異なるという点です。
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