「カンバセーショナルマーケティングの近未来」

カンバセーショナルマーケティングの近未来

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2009年3月11日(水)

「クチコミ」という言葉がもつ多面性と可能性

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 前回のコラムでは、インターネットの登場によりPR(パブリックリレーションズ)の役割や業務範囲が大きく変わろうとしている、という話を紹介しました。

 同じように、インターネットの登場により、その役割が大きく変わり注目を集めているのが「クチコミ」です。

 もちろん、以前に「クチコミマーケティングを失敗させる三つの誤解」というコラムで紹介したとおり、クチコミというキーワード自体はインターネットと一緒に生まれたものではありません。

 インターネットが登場する以前でも、クチコミで情報が広がりやすい主婦や女子高生などのコミュニティに対し、積極的にアプローチをしていくことで、製品の話題を盛り上げようという手法が存在しましたし、ネットを活用したクチコミマーケティングにおいても、クチコミが対面で伝播するというケースもあります。

 最近では「価格.com」や「@cosme(アットコスメ)」など、利用者のクチコミが集められたサイトを、「クチコミサイト」や「クチコミ情報サイト」と呼ぶことが多いため、ネット上のクチコミというキーワードを聞くとこれらのWebサイトをイメージする方が多いようです。

 また、ここ数年、「クチコミマーケティング」というキーワードで、ネット上で話題を伝播させる手法を強調していた企業が多かったために、クチコミと聞くとネット上で広がるという印象でとらえている方も多いようです。

 そういう意味で、現在のクチコミというキーワードほど、さまざまな意味で利用され、また誤解されているキーワードは無いでしょう。

 もともとクチコミという言葉は、マスメディアによるマスコミュニケーションであるマスコミに対する言葉として、「口頭でのコミュニケーション」つまり、口から口へと伝えられるコミュニケーションから生まれた言葉だといわれています。

 マスコミュニケーションが、マスメディアからのトップダウンで、大量の人に話題を一気に伝播させる力を持っているのに対し、クチコミというのは一人ひとりの口から口へとボトムアップで伝播していくと考えていいでしょう。

 このクチコミは以前から、効果的に活用することで製品の話題をうまく広げられると認知されていました。ただ、それはあくまで、一部のコミュニティにおける限定的な効果と考えるのが一般的だったと思います。

 それを劇的に変えたのが、いうまでもなくインターネットです。

 「飲み屋での『会話』とネットでの『会話』」というコラムでも書いたように、ネットの会話には、距離や時間の制約がありません。

 これにより、クチコミは従来の口から口へと言う物理的な伝播力の限界から解き放たれ、大きな可能性を持つ手段として注目されるようになっているわけです。

 ただ、ここで注意していただきたいのは、一口にネット上のクチコミと言っても、マーケティングの視点で見ると、その性質や役割は実際には手段によって大きく異なるという点です。

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「日経ネットマーケティング」(2007年10月25日創刊)は企業の販売・営業、広告・宣伝担当者に向け、「ネットとケータイで“売れる”仕組みを作る」をテーマに、実務に役立つ情報を「本誌」「Web」「セミナー」の三つを連携させて提供します。「日経ネットマーケティング」の年間購読は、こちらからお申し込みいただけます。


このコラムについて

カンバセーショナルマーケティングの近未来

 インターネットの普及や技術の進化により、企業と利用者の関係は大きく変化しようとしています。検索技術やモバイル、動画など、めざましい技術の進化に目をうばわれがちな一方で、着実に存在感を増しているのが利用者の会話やクチコミです。インターネットを通じたマーケティングで本当に重要なのは、利用者の会話に耳を傾け、会話に参加し、一緒に考えていくことではないでしょうか?
 このコラムでは、「カンバセーショナルマーケティング」というキーワードで、利用者の会話に注目したマーケティングのあり方や可能性について考えていきたいと思います。

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