「カンバセーショナルマーケティングの近未来」

カンバセーショナルマーケティングの近未来

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2009年3月25日(水)

「見ているだけ」以上に関与度が高くなるネットならではの動画広告

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 前回のコラムでは、バイラルビデオを効果的に活用することで、インターネットでも利用者の認知や興味をうまく獲得できる可能性があるという話を紹介しました。

 前回紹介した事例はどちらも1分程度の短い動画を作成して「YouTube」などの動画投稿共有サイトを活用して広まったケースでしたが、もちろんYouTubeに動画をアップすることがバイラルを生むための唯一の手段ではありません。

 バイラルビデオの活用を一歩進めたケースとして注目したいのが、その動画をさらにインタラクティブにする方法です。

 一般的なバイラルビデオでは、利用者はあくまで受け身の立場で動画を見ているだけです。その後に動画にコメントを付けたり、自分のブログでも動画を張り付けて紹介したりできるという意味で、テレビCMに比べると能動的なリアクションは取りやすいのですが、動画が流れている間、利用者は「見ているだけ」というのが通常です。

 この「見ているだけ」から脱却させるアプローチが、新たなバイラル手法として注目されています。日本で最も有名なケースといえるのが、「ニコニコ動画」を活用したキャンペーンでしょう。

●ニコニコ動画

●ニコニコ動画


 ニコニコ動画では、共有された動画上に視聴者がコメントを投稿できます。こう書くと、YouTubeで閲覧した動画に後からコメントを付けるのと、感覚としてはあまり変わらない印象があると思いますが、実際にコメントを付けている人間からするとその感覚は全く異なります。

 ニコニコ動画において投稿されたコメントは、動画内に表示されます。実際にご覧になっていただければ明らかですが、ニコニコ動画ではコメントが画面の最前面に表示されるため、どちらかというとコメントが主で動画が従という印象を受けます。ニコニコ動画においてコメントをつけるという行為は、動画コンテンツ自体を一緒に作成しているともいえるわけです。

 当然、動画にコメントを残した利用者は、大なり小なりその動画に対して関与した感覚を持つことになります。つまり、単純に動画を視聴するよりも、より深くその動画のメッセージにかかわることになるのです。

 バイラルを目的とした動画をただ単純に閲覧させるだけでなく、利用者を動画に関与させることにより、単純な認知だけでなく共感や参加意識を感じさせることが可能になると考えられます。ここに注目した複数の企業が既に、ニコニコ動画でのマーケティングに挑戦し始めています。

 もちろん、ニコニコ動画は一種独特ともいえるコミュニティのため、一般の企業がマーケティングで利用するツールとしては難しい側面はあります。ただ、こういった動画に参加させるアプローチが可能なのは、ニコニコ動画だけではありません。

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著者プロフィール

徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
アジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役社長

徳力基彦  NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。
 個人でも「tokuriki.com」や「ワークスタイル・メモ」等の複数のブログを運営するなど、幅広い活動を行っており、著書に「デジタル・ワークスタイル」、「アルファブロガー」等がある。


このコラムについて

カンバセーショナルマーケティングの近未来

 インターネットの普及や技術の進化により、企業と利用者の関係は大きく変化しようとしています。検索技術やモバイル、動画など、めざましい技術の進化に目をうばわれがちな一方で、着実に存在感を増しているのが利用者の会話やクチコミです。インターネットを通じたマーケティングで本当に重要なのは、利用者の会話に耳を傾け、会話に参加し、一緒に考えていくことではないでしょうか?
 このコラムでは、「カンバセーショナルマーケティング」というキーワードで、利用者の会話に注目したマーケティングのあり方や可能性について考えていきたいと思います。

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