「米国ネットマーケティング茶話」

米国ネットマーケティング茶話

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2009年4月6日(月)

メインストリームに躍り出たマイクロブログ「Twitter」の果たす役割とは?

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 最近、米国でメインストリームの話題としてしばしば登場するのが、マイクロブログの「Twitter」です。Twitterは、IM(インスタントメッセージ)とブログの中間のようなソーシャルメディアで、Twitterのトップページに表記されている「What are you doing(何しているの?)」という問いかけに答えるように、今何をしているかを140文字以内で投稿する仕組みです。Twitterに関連した以下のような表現は、既に一般にも広がり始めています。

Tweet:Twitterに投稿すること
Tweeple:Twitterを使う人たち
Twitterati:多くフォローされているTwitterのユーザー
Twitosphere:Twitterのコミュニティ

 米ニールセン・オンラインによれば、Twitterの2009年2月の米国のユニークビジター数は704万人まで達しました。2008年12月の270万人に比べて、2.6倍にまで増えるという躍進ぶりです。こうしたTwitterの動きに刺激を受けたかのように、米国発のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「Facebook」(2009年2月の米国のユニークビジター数は6500万人)は2009年3月、ユーザーが写真や動画などをリアルタイムに投稿・配信できるようにサイトをデザインし直しました。これによって、Facebookも機能的にTwitterに近いものとなりました。

TwitterとFacebookの密接な共存関係:SNSやエンターテイメントサイトにトラフィックをもたらすTwitter

 最近FacebookとTwitterのユーザーの活用の類似性を、よく指摘されていますが、Twitterはより「コミュニケーションツール」に近く、Facebookと密接な共存関係を構築しています。米インターネット調査会社のヒットワイズによれば、2009年2月にTwitterは、SNSやエンターテイメントサイト(特に写真共有サイト)の5分の1のトラフィックをもたらしたと分析しています。トップ5は、「Google」、Facebook 、「Twitpic」(Twitterのための写真共有サイト)、「MySpace」、「Twitter Search」。Twitterはブログサイト、さらにニュースやメディアサイトにもトラフィックをもたらしています。

 ヒットワイズのシニアオンラインアナリストのヘザー・ホプキンス氏は、「Twitterはソーシャルネットワークと同じような使われ方をしており、コンテンツのディストリビューターの役割を果たしている。これはTwitterの活用方法の一つで、現在目立ったトレンドである。Twitterのページ遷移のデータは、検索エンジンやeメールサービスよりも、ソーシャルネットワークにより近い」と分析しています。

 既に米国小売店の多くがTwitterをマーケティングのツールとして使っていますが、ホプキンス氏は「数字を見る限りでは、Twitterは検索エンジンのように小売店のWebサイトにはトラフィックをもたらしていない」と分析しています。

 こうしたことから、FacebookとTwitterの違いを考えると、以下のようにユーザーがそれぞれのサービスを使う時の意識に相違があり、マーケティングのツールとして活用する際には十分留意する必要があるといえます。

・Facebook:仲間同士がプライベートな会話を楽しむ場。不特定多数の人が誰でも、そうした会話を見たり、あるいは参加することが可能となると、Facebook内でのユーザー同士のエンゲージメントは生まれなくなります。そのポイントから考えると、製品やサービスの「直接的なプロモーション」には向きません

・Twitter:Facebookとは逆に非常にオープンな場。ユーザー自身、あるいは企業が製品・サービスをプロモーションするために適しています。例えば、格安航空運賃の米ジェットブルーやオンラインショッピングのザッポーズは、カスタマーサービスやブランディングのために積極的にTwitterを活用し、ライターやジャーナリストは、Twitterに自分の書いた記事のURLを投稿して、トラフィックをもたらすことを意図しています

 ただ、ここで忘れてはならないのは、Twitterはあくまでも140文字以内のショートメッセージで、Twitterの月間平均滞在時間は一人当たり約8分間(ニールセン・オンライン調べ)しかないということ。一方、それに比べてFacebookはさまざまなサービスを提供しているため、月間平均滞在時間がおよそ3時間という大きな違いがある点です。

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著者プロフィール

大柴 ひさみ(おおしば・ひさみ)

大柴 ひさみJaM Japan Marketing LLC代表。日米のマーケティング・ビジネスを橋渡し米国シリコンバレーで、日米のマーケティング・ビジネスのファシリテイターとして、戦略の開発実施・調査分析などのコンサルティング・サービスを提供するJaM Japan Marketing LLCの創設者/パートナー。日本の広告代理店の電通ヤングアンドビルカム、米国広告代理店マッキャン・エリクソンを経て、20年間に渡る日米間のビジネス経験を生かして、1998年にJaM Japan Marketingを設立。「Peer to Peer」(P2P)、「WOM」(Word of Mouth)などを活用した最新のマーケティング手法に注目したサービスを提供している。
ブログ「ひさみをめぐる冒険」を執筆中。本ウェブでは以前「米国ネットの“ざわめき”を聴く」を連載した。


このコラムについて

米国ネットマーケティング茶話

米国の金融危機に端を発した、世界的不況の真っただ中に立たされた米国企業はこの 状況下でどのようなネットマーケティングを展開しているのか。 このコラムでは、 米国在住の著者が米国ネットマーケティングのトレンドをコラム形式で、マーケッ ターとしての立場だけではなく、米国在住の一般消費者の視点も加味しながら紹介し ていきます。

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