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2009年4月14日(火)

【対談】
異色の炊飯器プロモーションや
デジタルサイネージとYouTube連携の背景は?(後編)

東芝・荒井孝文氏、ヤフー・尾関和晴氏、スケダチ・高広伯彦氏

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 東芝がネットを活用した広告・宣伝活動に積極的に取り組み続けている。最近では3月から、炊飯器のプロモーションで、「Yahoo! JAPAN」と「ニコニコ動画」を連携させた企画を実施。3月20〜22日にはノートパソコンの販促フェアで、東京・秋葉原のデジタルサイネージと、「YouTube」を連携させた世界初ともいえる企画を実現させた。その狙い、成果、そしてそうした新しい企画はどう発想されるのか。一連のプロモーションを手掛ける東芝広告部部長代理の荒井孝文氏、ヤフーの広告本部インタラクティブマーケティング推進室室長の尾関和晴氏、デジタルサイネージ(電子看板)とYouTubeのプロモーションを支援したスケダチ代表の高広伯彦氏の3人に集まってもらい、対談形式で話を聞いた。今回はその後編(前編はこちら)。
※実施は2009年3月下旬

イベント的な発想でデジタルサイネージ活用、思わぬ苦労も

【司会】話は変わりますが、3月20〜22日に実施したYouTubeとデジタルサイネージを連携させた企画の狙いを教えてください(関連記事)。

●東芝ノートPCフェアの一環で、デジタルサイネージに表示されたゲームをケータイから操作可能にした

●東芝ノートPCフェアの一環で、デジタルサイネージに表示されたゲームをケータイから操作可能にした


【荒井】秋葉原の駅を出てすぐの場所にある「ヨドバシAkiba」の店頭ビジョンを使いました。普段はテレビCMを流すような使われ方です。ただ、映像を流すだけでは、ネットワークにつながったデジタルサイネージとは通行人には分かりません。インタラクティブにすることがデジタルサイネージの一つの在り方だと思っています。

 そこで、デジタルサイネージ上のゲームにケータイで参加するような試みをやれば、(同店内で実施している)「東芝ノートPCフェア」への入り口にできると考えました。店頭販促ものは通常、週末、1週間だけといった単発になります。ネットコンテンツ連動のいいところは、長期間訴求できることです。今回、YouTubeを絡めたのは期間中はもちろん、終わった後もサイト上で同じ体験ができますし、店頭でもう1回やりたいときも流用できます。そこが狙いです。

 具体的には、デジタルサイネージ、YouTubeの「カスタムガジェット」という新しい広告媒体/手法を使い、新しいことに敏感に反応するパソコンユーザーに向けた商品販促を連動させたいと考えました。そこで高広さんに協力してもらうことにしました。高広さんは「(デジタルサイネージとYouTubeの参加者を)一緒に戦わせることもできる」というアイデアを出してくれました。多くの広告代理店では組み合わせが思いつかず、なかなか理解してもらえないのです。相談から1カ月半と、かなり短期間で実現しました。

【司会】初めてのチャレンジということで、解決すべき課題も多かったのでは。

●東芝の荒井氏

●東芝の荒井氏

【荒井】良かったのは、誰もやれるとは思っていないことをできたこと。参加した人、大学生のような若い人にも「えっ」と言う驚きを与えられました。東芝の新しさや先進性を伝えることができたと思います。その面ではプラスでした。

 逆に初めてのことだけに、雨、風でこんなに左右されるのかという面はありました。実施前の週末や夕方に下見に行っていました。この人の流れだったらいけると思う感覚はありましたが、本番とは違いました。なかなか読み切れないというのが正直なところです。

 イベントでは、みんなが盛り上がっていると周りの人も面白いと思って参加します。そういう流れをもっとうまく作れたはずです。新しい、変わったことだからどんどん参加してもらえると思いましたが、デジタルサイネージ上では単にゲーム映像が流れているだけと思われました。理解してもらうのに苦労した面もありました。

【高広】YouTubeも含めてメディアというのは、接触する人がどういう態度を取っているのかは想定できます。一方、デジタルサイネージは、場所によって違います。どういう人たちがどう歩いていて、どうメディアを振り向いているのかから考えないといけないのが一番大変なところです。

 広告ビジネスはまず枠があるので、その中でどうすればいいかを考えます。デジタルサイネージは、メディアそのもの、その場所における価値が分からないと作れません。メディアよりイベントのプランニングの発想に近くないと面白い企画はやりにくいでしょう。

 また、デジタルサイネージをマーケティングの中のどこにポジショニングさせるのかは重要です。チャージャーの企画で実施された「空気づくり」というのが、商品カテゴリーを振り向かせる空気をつくることだとすると、デジタルサイネージはもっと買い場、使い場に近いところにあります。

 東芝のフェアを全く見なかった通行人にもフェアに立ち寄ってもらう状況をいかに作るかが、デジタルサイネージを使ったマーケティングのポイントだったと思います。

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著者プロフィール

杉本 昭彦(すぎもと・あきひこ)

日経デジタルマーケティング副編集長。「日経ネットナビ」(1996年〜2004年)、日本経済新聞社編集局産業部(2005年〜2007年)などでインターネット業界の取材を長年続け、2007年の「日経ネットマーケティング」(現日経デジタルマーケティング)創刊時より現職。執筆、編集活動に加えて、本誌公式Facebook、Twitterを担当して、実践の日々。

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