「カンバセーショナルマーケティングの近未来」

カンバセーショナルマーケティングの近未来

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2009年5月20日(水)

本気のネットマーケティングは短絡的思考に非ず

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 昨年末から18回にわたり、消費行動モデル「AISAS」の各ステップに対して、どのような手段をどのような目的で活用すればよいのかという考え方について、いろいろな手法を例に紹介してきました。

 簡単にこれまでの話を総括してみます。まず、広告やPR、自社サイトなど、一つひとつの手法で実現できることには限界があるということ。こうしたさまざまな手法を個別で利用するのではなく、全体をきっちり設計することでクチコミや企業と消費者間の会話は刺激されます。結果、マーケティングとしてのコストパフォーマンスが上がっていく、それが私が「カンバセーショナルマーケティング」という切り口でマーケティングを考えたときに重要だと考えているポイントです。

●ネットマーケティングにおける役割分担

 カンバセーショナルマーケティングをうまく進め、広告効果を高めるチェックポイントとしては「広告の大量投下で後悔しないための三つのポイント」で書いた通り、下記の3項目が挙げられます。

1.そもそも「製品・サービス」は、利用者に満足されているか

2.「自社サイトやメディア」は、利用者の探している情報を提供できているか

3.「PR」「クチコミ」のメッセージが、利用者の興味を増しているか

 特に意識すべきなのは、上記の項目を順番に確認していくという点です。

 1番の項目が満たされていない、つまり、製品やサービスが利用者に満足されていないのであれば、その下の手法にいくら力を入れても、結果的に不満足な利用者を量産することになります。短期的には売り上げを拡大できても、長期的にはかえってクレームが増すリスクがあります。

 2番の項目が満たされていない、つまり、自社サイトやメディアが、利用者が探している情報を十分に提供できていないと、せっかく広告やPRで多くの利用者に興味を持ってもらったり、サイトに誘導したりすることができても、最後の一押しが足りずに購入まで至らないというケースが増えてしまいます。

 3番の項目が満たされていない、つまりPRやクチコミのメッセージが利用者の興味を引いていることが確認できていない状況で広告を大量に投下しても、広告の効率が悪くなりますし、広告の効果も長続きせず、常に広告を出し続けないといけない状況が続くことになります。

 この3項目を確認した上で、ターゲットの目に届くよう広告を出稿していくべきでしょう。

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著者プロフィール

徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
アジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役社長

徳力基彦  NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。
 個人でも「tokuriki.com」や「ワークスタイル・メモ」等の複数のブログを運営するなど、幅広い活動を行っており、著書に「デジタル・ワークスタイル」、「アルファブロガー」等がある。


このコラムについて

カンバセーショナルマーケティングの近未来

 インターネットの普及や技術の進化により、企業と利用者の関係は大きく変化しようとしています。検索技術やモバイル、動画など、めざましい技術の進化に目をうばわれがちな一方で、着実に存在感を増しているのが利用者の会話やクチコミです。インターネットを通じたマーケティングで本当に重要なのは、利用者の会話に耳を傾け、会話に参加し、一緒に考えていくことではないでしょうか?
 このコラムでは、「カンバセーショナルマーケティング」というキーワードで、利用者の会話に注目したマーケティングのあり方や可能性について考えていきたいと思います。

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