前回のコラムでは、ネットを本気で活用するマーケティングを展開していくなら、一つの手法に頼らず、さまざまな手法を組み合わせてマーケティングプランを練るべきだという話を紹介しました。
そういった複数の手法を組み合わせた場合に問題になってくるのが効果測定です。通常、ネット広告において、中心的に活用されている指標が、サイト誘導への単価を見るCPC(Cost Per Click)と、顧客獲得単価を見るCPA(Cost Per Acquisition)でしょう。
CPCは自社サイトやプロモーションサイトに誘導するためにかかったコストを見る上で一般的な指標です。一方、CPAはEC(電子商取引)サイトを運営している企業にとっては特に大事な指標。これを意識することで確実に損をしないマーケティングが可能という意味では非常に画期的な指標ともいえます。
ただ、CPCやCPAのみを意識しすぎると、検索連動型広告の効果が突出して高いことが分かり、検索連動型広告以外の広告手法を使うのが馬鹿らしくなるというケースが多々あります。なにしろ、検索連動型広告では「AISAS」における購買行為(Action)の直前である検索行為(Search)をしている利用者に限定して広告を表示できるわけです。
AISASのステップにおける購買の最短距離にいる人だけに広告を表示できるわけですから、CPAが良くなるのは半ば当たり前。さらに、検索連動型広告ではもともとクリック課金が中心でCPCの上限金額を設定でき、コスト面でも安定した手法といえます。
これに対して、純広告やPRの手法は、購買までの距離が比較的遠い人も含めてリーチすることになりますから、CPAはどうしても悪くなりがちです。というのも、検索連動型広告と異なり、基本的にまだその商品やサービスを購入するための心の準備ができていません。当然、CPAは検索連動型広告と比べて悪くなります。
実際にキャンペーンを終了するまで、CPCがどのくらいの値になるのか分からないため、検索連動型広告に比べると、純広告やPRはある面ではギャンブル性が強くなります。
その結果、CPAとCPCだけを考えると、検索連動型広告とアフィリエイトぐらいしか利用する気にならなくなる、という企業も多いはずです。そのため、こうした確実性の高い手法以外、例えばPRやクチコミを活用した企画がなかなか実行できないという担当者の方が多くなります。
しかし、何度も書いているように、検索連動型広告を利用するだけでは検索をする見込み顧客の奪い合いでゼロサムゲームになるだけ。市場の拡大や本質的な製品やサービスの認知向上にはあまりつながりません。
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NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。










