「カンバセーショナルマーケティングの近未来」

カンバセーショナルマーケティングの近未来

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2009年6月10日(水)

自社メディアの価値を検索連動型広告の費用に換算する

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 前回のコラムでは、CPA(顧客獲得単価)だけでキャンペーンの効果を測るのではなく、「Attention(認知))や「Interest(興味)」など、複数のステップにおける価値も合わせて考えるべきではないか、という話を紹介しました。

 ただ、やはりCPAのように売り上げに直接つながる分かりやすい指標を使うのになれていると、売り上げにつながるかどうか分からない「認知」や「興味」の獲得に価値の単価を設定するのは難しいという企業も多いかもしれません。

 そこで今回は、CPAへの貢献を数値化しづらいマーケティング手法において、効果を数値化する方法のヒントを紹介したいと思います。

 まず、実際に使う手段として分かりやすいのは、検索連動型広告との比較です。

 例えば、企業が製品の販促や啓蒙(けいもう)のために、あるテーマのブログを構築したとしましょう。通常は、このブログのPV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー)数を一つの指数として、このブログの価値を測定すると思います。

 ただ、自社でブログを構築しただけで大量の読者を獲得するのは、なかなか難しいのが現状です。また、ブログへのアクセス誘導が企業サイトからの流入が中心という場合は、その読者は既存顧客である可能性も高く、サイトの価値を正当化するのが難しいでしょう。

 そこで、お勧めするのがそのブログの検索経由の流入数を一つの指標として使う方法です。

 仮にそのブログの月間アクセス数が1万PVだったとします。企業サイトのPVが仮に数十万あるような企業の場合、ブログで月間1万ほどPVが増えたところで、なかなかその価値を説明するのは難しいでしょう。

 ただ、もしこのブログの1万PVのアクセスのうち5000セッションが検索経由だったとしたらどうでしょう。

 仮に、検索連動型広告に平均でCPC(クリック単価)20円で広告を出稿していたとしたら、このブログには5000×20=10万円相当の価値があると言えます。

 もし、このブログを運営している会社が比較的高価な製品を扱っており、平均CPCが200円だったとしたら、このブログには5000×200=100万円相当の価値があると言えるわけです。

 もちろん、流入するきっかけとなった検索キーワードがどのようなものかというのは注意が必要ですし、ブログの記事から企業のサイトに到達するかどうかは別問題です。ただ、自然検索から利用者を誘導できているということは、いわゆる消費行動モデル「AISAS」でいうところの「Search(検索)」に当たる人たちを、直接企業のサイトに誘導できているということです。

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著者プロフィール

徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
アジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役社長

徳力基彦  NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。
 個人でも「tokuriki.com」や「ワークスタイル・メモ」等の複数のブログを運営するなど、幅広い活動を行っており、著書に「デジタル・ワークスタイル」、「アルファブロガー」等がある。


このコラムについて

カンバセーショナルマーケティングの近未来

 インターネットの普及や技術の進化により、企業と利用者の関係は大きく変化しようとしています。検索技術やモバイル、動画など、めざましい技術の進化に目をうばわれがちな一方で、着実に存在感を増しているのが利用者の会話やクチコミです。インターネットを通じたマーケティングで本当に重要なのは、利用者の会話に耳を傾け、会話に参加し、一緒に考えていくことではないでしょうか?
 このコラムでは、「カンバセーショナルマーケティング」というキーワードで、利用者の会話に注目したマーケティングのあり方や可能性について考えていきたいと思います。

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