「コミュニケーション」という言葉を辞書で調べると、「人間が互いに意思・感情・思考を伝達し合うこと。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える身振り・表情・声などの手段によって行う」とあります(大辞林 第二版)。
この手段の中で、言語・文字というのは1つの道を進むものです。音楽は様々な楽器の重なり合いを同時に聴覚で受け取りますし、ビジュアル的な表現、例えばグラフィックやデザインなどを見れば、人は一度に様々な情報を受け取ることができます。
ところが、言語・文字というのは順を追って読み進めていくものです。そこで、レトリックのようなものが発達しました。これは、以前の記事(Web文章作法(上):ユーザーはそもそも文章なんて読みたくないと思っている)で説明した文章の構成術よりも、ミクロ的で、局所的な話題の流れの組み立て方です。修辞法、修辞学ともいいます。
この手法があることで、言語・文字は一度にまとめて情報を与えられない代わりに、文章全体で雰囲気・空気をつくりだしたり、人の心を深く、強く動かしたりする力を与えられているといっても過言ではありません。
米オバマ大統領の演説などは、レトリックのテクニックを活用しています。これについては後述しますが、あなたの周りにもいませんか? いいことを言っているのに、感じの悪い言い方をするので、誰も耳を傾けないような人。
本来は「何が言われているか」に集中することが重要なのに、私たちはしばしば「どう言われているか」に気を奪われ、受け止め方を変えてしまいます。
「やれ」とか「しろ」などと命令口調で言われれば、絶対やってやるもんかと、へそを曲げるのに対して、「していただけないかしら」などと猫なで声で頼まれると、言われた以上のことまでしてしまったりする。
言い方、書き方。ちょっと変えるだけで、あなた自身のキャラクターや文章に対する評価は急上昇するかもしれません。それが、レトリックです。
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