「米国ネットマーケティング茶話」

米国ネットマーケティング茶話

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2009年8月3日(月)

「Twitter」ブームのリアリティチェック

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ハッカーに狙われたTwitterの企業内部事情

 日経BP社・日経ネットマーケティング主催の「NETMarketing Forum 2009」の特別セミナーでの基調講演は無事に終了しましたが、日本滞在中に多くの人たちから質問されたのは、米国でブーム化しているマイクロブログサービス「Twitter」に関するものでした。日本でもメディア、ブロガー、ライター、さらに議員もすでにTwitterを使用し始めています。前回のコラムでも紹介したように、米国ではメディアでのTwitterの露出が高いので、一般にも幅広く認知され始めています。その最中、運営会社の米Twitterは社内の機密情報がハッキングされ、さらにそれをニュースサイト「TechCrunch」が2009年7月14日にオンラインで報じたために、ブログ圏では大騒ぎになっています。Twitterは5月にも「Hacker Croll」と称する同じハッカーにハッキングされており、その情報はスクリーンショットも含めてフランスのブログサイトで公開されています。今回ハッカーは、Twitterの企業情報およびCEO(最高経営責任者)夫妻を含めた社員の公私にわたる310の機密文書を盗み出して、それをTechCrunchを含むWebサイトに送り付けています。機密文書には、エグゼクティブのミーティングのノート、パートナー企業との合意文書、財務予測、著名人のeメール、タイムシート、社員名簿、食事の好み、クレジットカード番号、電話番号、求職者の履歴書、給与に関する情報など、企業が絶対に公表したくない内部情報です。

 TechCrunchの創設者のマイケル・アリントン氏は、「Twitterと話し合って、結果ニュース価値のあるものを公開した。個人情報などの公開すべきでないものは出していない」とコメントしています。彼の論点は、「TechCrunchのようなニュースサイトは、日々"盗まれた情報"、例えば社員や企業関係者が漏らした情報を得て、読者に真っ先に報道している。その観点から考えると今回の"盗まれた情報"も、通常のリークされた情報と変わらず、その考えに基づいて情報を選択して公開した」と発言して、読者や有識者から寄せられた多くの批判に反論しています。TwitterのCEOのエヴァン・ウィリアムス氏は、TechCrunchの機密書類の公開に関して、「どんな情報でも公開してよいという許可を出していない」とTweet(Twitterに投稿)しており、ブログ圏では、「情報公開の倫理」という観点で議論が沸騰しています。

Twitter自身が予測する2013年のユーザー数は10億人

 公開文書には、米国のAOL、デル、エリクソン、ノキアといった合意書を交わしたTwitterの潜在パートナーの企業名がでており、さらにTwitterが既にディスカッションを行なったグーグル、マイクロソフトといった企業、さらにフェースブックへの戦略および検討事項が記載されているなど、経営者として誰でも真っ青になる内容です。さらにTwitterは、自身のユーザー数の予測とTwitterのあるべき姿を文書の中で、以下のように語っています。

Twitterは「2013年に10億人のユーザーを獲得して、地球という惑星の『Pulse(脈拍・鼓動)』となる。それは、『Alert system(警告システム)』ではなく、『Nervous system(神経系統)』という役割を持つ」

 このTwitterの将来の姿は、スクリーンショットと同時に掲載されており、Twitter内部の生々しいディスカッションの様子が垣間見られます。その中には、Twitterが自問自答するように「Are we building a new Internet?(我々は新しいインターネット世界を作ろうとしているのか?)」というフレーズもあり、Twitter社内の自信と勢いをうかがわせるものです。

 実際にTwitterのユニークビジター数は、トークショーのテレビ番組でホステスを務めるオプラ・ウィンフリー氏が、4月17日に「Tweeple(Twitterを使う人)」になってマスオーディエンスにリーチして以来、数字はうなぎのぼりです。以下は米調査会社コンピートによる6月のユニークビジター数ですが、対前月比16.57%増、対前年比では1264.2%増の約2300万人となっています。。米ニールセン・オンラインも、Twitterの6月のユニークビジター数を、対前年比1928%増の2095万人と発表しており、Twitterのユニークビジター数は2000万人以上であることは確実です。

●コンピートのサービスで調べたTwitterのユニークビジター数の推移

●コンピートのサービスで調べたTwitterのユニークビジター数の推移


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著者プロフィール

大柴 ひさみ(おおしば・ひさみ)

大柴 ひさみJaM Japan Marketing LLC代表。日米のマーケティング・ビジネスを橋渡し米国シリコンバレーで、日米のマーケティング・ビジネスのファシリテイターとして、戦略の開発実施・調査分析などのコンサルティング・サービスを提供するJaM Japan Marketing LLCの創設者/パートナー。日本の広告代理店の電通ヤングアンドビルカム、米国広告代理店マッキャン・エリクソンを経て、20年間に渡る日米間のビジネス経験を生かして、1998年にJaM Japan Marketingを設立。「Peer to Peer」(P2P)、「WOM」(Word of Mouth)などを活用した最新のマーケティング手法に注目したサービスを提供している。
ブログ「ひさみをめぐる冒険」を執筆中。本ウェブでは以前「米国ネットの“ざわめき”を聴く」を連載した。


このコラムについて

米国ネットマーケティング茶話

米国の金融危機に端を発した、世界的不況の真っただ中に立たされた米国企業はこの 状況下でどのようなネットマーケティングを展開しているのか。 このコラムでは、 米国在住の著者が米国ネットマーケティングのトレンドをコラム形式で、マーケッ ターとしての立場だけではなく、米国在住の一般消費者の視点も加味しながら紹介し ていきます。

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