広告やマーケティングの世界にいる人なら、一度は考えたことがあるはずです。この前まで、NTTドコモのテレビCMに出ていたSMAPが、今度はまるで1980年代のようなバブリーなソフトバンクのテレビCMに登場。契約が切れたら、同業他社のテレビCMに出てもいいの?という疑問。ビールだろうと、化粧品だろうと、クルマだろうと、こういう現象は後を絶ちません。
とりあえず、人気が旬のうちに起用しようという根性はまだ分かるにしても、とにかくタレントを使わないとテレビCMが成り立たないと考えているような起用法は全く理解を超えるばかりです。
では、皆さんに質問です。ビールや発泡酒、第3のビールに起用されているタレントがどのブランドに出ているか答えられますか?小泉今日子さん、佐藤浩市さん、檀れいさん、長瀬智也さん、さあどうでしょう。
順番に、エビスビール、麒麟淡麗、サントリー金麦、アサヒスタイルフリーです。覚えていた人でも、ではそれを買って飲んでいますか?という質問にはウーンでしょう。
タレントを起用する最大の理由は、ブランドをどうのこうの、というよりスーパーや酒屋で目立つために使っているというのが本音かもしれません。“ノンタレ”だと、消費者が見向きもしないのではという不安です。
さらに、タレント依存広告に拍車がかかってきました。タレントを複数使うことが珍しくなくなったのです。化粧品メーカーのシャンプーや男性化粧品はスターのオンパレード。不況なのに、タレント業界はバブル?としか思えません。
まさに、タレントをどう使うかが、CM界のアイデアの基準のようになってしまって、少々うんざりしているのが本音です。
直近のCMデータバンクの調査によると、モニターの消費者が好感を持ったと答えたテレビCMのうち、その約7割が「出演者・キャラクターに好感を持った」ことが理由に挙げられています。「商品に好感を持った」や「宣伝文句に好感を持った」より多いのです。真剣に広告を作っている身としては、肩透かしをくらったような気分になってしまいました。
結局、テレビCMの評価はタレント次第?大げさな言い方をすれば、視聴者はタレントでしかテレビCMを記憶していないことになります。
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