「マーケティング・ゼロ」

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2009年9月18日(金)

第87回:日本はなぜタレントCMが多いのだろう

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 広告やマーケティングの世界にいる人なら、一度は考えたことがあるはずです。この前まで、NTTドコモのテレビCMに出ていたSMAPが、今度はまるで1980年代のようなバブリーなソフトバンクのテレビCMに登場。契約が切れたら、同業他社のテレビCMに出てもいいの?という疑問。ビールだろうと、化粧品だろうと、クルマだろうと、こういう現象は後を絶ちません。

 とりあえず、人気が旬のうちに起用しようという根性はまだ分かるにしても、とにかくタレントを使わないとテレビCMが成り立たないと考えているような起用法は全く理解を超えるばかりです。

 では、皆さんに質問です。ビールや発泡酒、第3のビールに起用されているタレントがどのブランドに出ているか答えられますか?小泉今日子さん、佐藤浩市さん、檀れいさん、長瀬智也さん、さあどうでしょう。

 順番に、エビスビール、麒麟淡麗、サントリー金麦、アサヒスタイルフリーです。覚えていた人でも、ではそれを買って飲んでいますか?という質問にはウーンでしょう。

 タレントを起用する最大の理由は、ブランドをどうのこうの、というよりスーパーや酒屋で目立つために使っているというのが本音かもしれません。“ノンタレ”だと、消費者が見向きもしないのではという不安です。

 さらに、タレント依存広告に拍車がかかってきました。タレントを複数使うことが珍しくなくなったのです。化粧品メーカーのシャンプーや男性化粧品はスターのオンパレード。不況なのに、タレント業界はバブル?としか思えません。

 まさに、タレントをどう使うかが、CM界のアイデアの基準のようになってしまって、少々うんざりしているのが本音です。

 直近のCMデータバンクの調査によると、モニターの消費者が好感を持ったと答えたテレビCMのうち、その約7割が「出演者・キャラクターに好感を持った」ことが理由に挙げられています。「商品に好感を持った」や「宣伝文句に好感を持った」より多いのです。真剣に広告を作っている身としては、肩透かしをくらったような気分になってしまいました。

 結局、テレビCMの評価はタレント次第?大げさな言い方をすれば、視聴者はタレントでしかテレビCMを記憶していないことになります。

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著者プロフィール

関橋 英作(せきはし・えいさく)

関橋 英作 マーケティング・コミュニケーション・ユニットMUSB
青森県生まれ。
外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当。その多くを、トップブランドに導き、ギャラクシー賞グランプリをはじめ、NYADC賞、ACC賞など数多く受賞した。特にキットカットにおいては、クリエイティブの斬新さに加え、ビジネスの結果を出さなければ受賞できないAME賞(アジア・マーケティング・イフェクティブ賞)を2年連続グランプリの快挙。アジアマーケットナンバーワンを勝ち得た。また、日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラーを取得。消費者インサイトを深く洞察する。女子美術大学・拓殖大学非常勤講師。


このコラムについて

マーケティング・ゼロ

メール・マーケティングに始まり、アフィリエイト、検索連動型広告、コンテンツ連動型広告、動画広告にRSS広告などなど実に多彩な発展を遂げているネットマーケティング。こうした広告のプラットフォームが次々と登場することは喜ばしい半面、企業は踊らされがちになります。本来、マーケティングとは何だったか?これを忘れそうになったときに皆様を原点に引き戻す、そういうコラムを目指しています。テクノロジーがどれだけ進化したとしても、マーケティングの原点はいつの日も変わらないのですから。

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