●リコー パーソナルマルチメディアカンパニー(PMMC)企画室 室長の野口智弘氏
「ブログ元年」とも呼ばれた2004年から約5年。ブログという言葉はすっかり普及し、芸能人が当たり前のようにブログを持つようになるほど一般化が進んだ。
一方、企業でのブログ導入という点では、一般への浸透度ほどは進んでいないというのが現状だ。企業ブログに興味はあるものの、何をすればいいのか分からない、続けられる自信がない、炎上が怖いなどの理由でブログの導入をためらっているという声をよく耳にする。
今回は、2005年から現在も精力的に企業ブログ「GR BLOG」を更新し続けるリコーの野口智弘氏に、ブログ導入のきっかけやその苦労、企業ブログの魅力などを伺った。
初めに「GR BLOG」を開設した理由をお聞かせください。
弊社の銀塩コンパクトカメラ「GRシリーズ」のコンセプトを受け継いだデジタルカメラ「GR DIGITAL」の発表会を開催したのは2005年9月13日のこと。この発表会に一般のユーザー参加を募集したり、初期のプロモーションを行ったりする目的でGR BLOGを開設しました。ちょうど発表会の2週間前、2005年8月31日のことでした。
ツールとしてブログを選んだ理由は何でしょう。
1つは商品のプロモーションだけでなく、ユーザーが集まるコミュニティを作りたいと思っていたからです。当時、ブログを書いている人の作品を見るといい写真が載っていることも多く、GR DIGITALという製品のコンセプトとユーザー層、そしてブログがうまくマッチングしているのではと考えました。
また、プロの写真家は自分の写真を名刺代わりにWebサイトで公開したり、日々の活動をブログで書いていたりもしていて、写真好きな人がその人の作品を見たくて集まる、という構図もありましたね。
もう1つの理由は、社内でユーザーとの様々なコミュニケーション手法を検討しているチームがあり、「企業がブログを使うちょうどいいモデルケースになるのでは」ということで、一緒に相談しながら進められたことですね。我々も、そもそもブログが何かということを知らない人間が集まっていたので、結果的にそのチームにも協力してもらいながら、一緒にブログを作っていきました。
他社のWebサービスを使うのではなく自社のサーバーにブログシステムを導入して使われていますね。
私としては「自社でどこまでできるかやってみよう」という考えだったんですが、そもそもそれがどれくらい大変かも分からずにやっていた、というのが正直なところです。ただ、ほかのメンバーも「やるなら自分たちでやっていきたい」と考えていたので、「それじゃあやってみよう」ということで自社の環境でブログを立ち上げました。
自社でブログを導入したことで苦労はありましたか。
弊社の場合はITS部門にも協力をしてもらって運営していますが、それは正規業務というよりもあくまでも非公式な協力というスタンスなので、設計を変えたり、機能を追加したりといったときに、どうしても優先順位が下がってしまってすぐには対応できないということはあります。しかし、通常は特別自社でやっているから大変だということはありません。
ブログの開設はどのように告知されたのでしょうか。
発表会で記者や一般のユーザーには紹介しましたが、ブログ自体をPRすることはあまりしていないですね。もちろんブログの存在を示すためにバナーを使って告知はしていますが、自然に広まっていったと思います。
ブログ開設の反響はどうでしょう。
すごくありましたね。開設から数時間でトラックバックが50件以上集まりました。実は使用したBLOGのデフォルト設定では、トラックバックを50件までしか受け付けないようになっていたので、あっという間にトラックバック数が上限に達してしまい、社内でちょっとした騒ぎにもなりました。カメラの情報サイトなどで「こんなブログがあるよ」と紹介してもらったことで、GR BLOGが広まったようです。しばらくは1日100件平均のトラックバックが続くような状況でした。
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大手電機メーカーにてシステム営業に従事した後、2002年にインプレス(現Impress Watch)に入社。Broadband Watch(現BB Watch)の編集者として無線LANやADSL、FTTHといったネットワーク関連に加え、ブログやSNS、Web 2.0系のジャンルも担当する。2009年4月にブログマーケティングを手がけるアジャイルメディア・ネットワークに入社。ブログやソーシャルメディアの企業における可能性や今後のあり方を追求している。










