「草食系マーケティング」

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2009年11月9日(月)

ソーシャルグラフ「人とのかかわり合い」をビジネスにする

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 ソーシャルグラフとは、辞書によると個人を節点(ノード)、人間関係を辺(エッジ)で表現した図(グラフ)です。ソーシャルネットワーキング上で人間の相関関係を示したようなものです。

 この概念は、実は広告・マーケティングで大きな影響を与えます。

 どういうことか、説明していきますね。

 これまで、ネットマーケティングで重視されてきたのは、検索エンジンでした。検索エンジンは、人間の脳の中にある「キーワード」をベースに、マッチする情報を探し出すというプロセスを経て、結果を得ます。これに対してソーシャルグラフは、自分の脳以外の情報を借りるというイメージです。

 例えば、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「mixi」の「友人を探す」で表示される「あなたの友人かも?」は、マイミクシィの中から、知り合いの可能性が高いユーザーを表示してくれます。「Facebook」など、ほかのSNSでも行われています。

 このとき、ユーザーは「こういう人もいたんだ」という「気づき」がありますよね? 「この人知ってる!」という驚き。でも、自分では名前を検索しようとはしていなかった人。これが、ソーシャルグラフでできる基礎的なサービスです。

 このつながりの検索ができると、同じ嗜好(しこう)を持った人をまとめて抽出できます。例えば、手帳にこだわりのあるビジネスパーソンを1人見つければ、その人のソーシャルグラフをたどって、芋づる式に同じ嗜好の人を見つけられます。

 また、ある人が「この手帳を活用しています」という発言をSNSや「Twitter」でした場合、今度はクチコミ効果でソーシャルグラフ上にいる誰かが、同じ手帳を購入するかもしれません。

「ビジネス」や「広告」に使えるソーシャルグラフ

 これまでの広告配信の手法として、コンテンツ連動型広告のようにWebサイトに含まれるキーワードを抽出し、関連性のある広告を表示するといったものがあります。例えば、映画情報を書いてあるブログに映画の予告編動画を広告として自動的に掲載するといった手法です。

 これはこれでかなりの効果が得られ、一部のマーケッターの間ではアフィリエイトに変わるものとして注目されていますが、ソーシャルグラフで味わえる「気づき」のようなものはありません。

 あくまで脳の機能として定義されている、ある情報の一部のインプット(検索キーワード)から、さまざまな知覚が呼び起こされるといったものです(ああ、探していたのはこれだよね、といった程度です)。「何これ!? こんなのがあるんだ!」という「気づき」のような驚きはなかったのです。

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著者プロフィール

中村祐介
エヌプラス 代表取締役

中村祐介

日経BP社の記者職を経てエヌプラスを設立。ソニーやグーグル、KDDI(au)、二期リゾートなど多数の企業のマーケティングやブランディング、Web、PR、イベントなどのコンサルティングやプランニングに携わる。ビジネス書、小説、翻訳書の執筆などの創作活動を行うほか、講演活動も行う。プライベートではRIA(Rich Internet Application)コンソーシアムの運営委員や、自由大学の教授、日本冒険作家クラブに所属するなど、多種多様な活動を行う。Blogは「中村祐介のコミュニケーション戦略メモ」。


このコラムについて

草食系マーケティング

「顧客を囲い込む」など、これまでのマーケティングのテーマは主観的、かつ、能動的なものでした。しかし、現在は消費者が主体の世界。こうした“肉食系”のマーケティング戦略では支持されません。新しいマーケティング戦略とは、「顧客に囲まれる」、つまり“草食系”のマーケティング戦略が必要になってきています。どんなテクノロジーが登場しても、消費者に「選んでもらう」「支持してもらう」ことがマーケティングの本質。細かいメソッドに踊らされず、根っこにあるものは何かを考えていける、そんなコラムを目指しています。

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