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第95回:当たり前の宅配便を世界は待っている

エチエンヌ&えいさくの「ワールド・マーケティング」対談(2)

2009年11月20日 金曜日     関橋 英作

Keywords 市場動向 

 前回に引き続きエチエンヌ・バラールさんとの対談です。バラールさんとの対談を通じて、今回も西洋と日本の両方の視点から、文化、ビジネス観の違いを見ていきたいと思います。

●エチエンヌ&えいさくの「ワールド・マーケティング」対談(2):エチエンヌ・バラール氏

エチエンヌ・バラール氏

バラール(以下「バ」):ユニクロがパリに出店しましたが、今度パリに帰ったら、日本のユニクロと同じ感覚で運営できているのか、ぜひ見てこなくてはと思っています。オープンして数カ月経ってホッとしたところで、日本からの偉い人が帰った後、一般の日常的なサイクルになったときに。

 ユニクロもマクドナルドと同じようにマニュアル化、グローバル化のイメージがありますが、ユニクロがパリでグローバルな支配的な感覚でやるのか、それともワールド的な発想で日本の良さを向こうに伝えられたのか。言葉は似ているけれども、グローバル化だったら、ユニクロの商品だけ行って、売り方がフランス並みになってしまう。だったらダメ。ワールド的な発想で、ルーツの感覚で、日本のサービスを向こうにちゃんと伝えて、向こうのお客さんに革命を起こすのなら面白い。

関橋(以下「関」):ルーツマーケティング、新しいキーワードが出ましたね(笑)。

:モノだけ行ってしまえばグローバル。ユニクロのもともとの良さ、山口県が発祥の地なわけですが、そういう要素も含め、日本のお店の雰囲気、店員たちの売り方も海外に伝えられれば、売っている物以上の価値があると思います。そのへんの安いブランド、フランスで言うと「タチ」みたいなコモディティ的な発想だけだったら、別にわざわざ出て行かなくてもいい。

:ただ有名デザイナーがデザインして低価格で売って、というだけなら「H&M」や「ZARA」と変わらない。

:日本発のブランドがサービスも含めて総合的に海外で通用するどうかの試金石になるかもしれないですね。

:クルマやソニーはモノだけだった。

:モノだけで、流通は違うところでしているから、サービス面はちっとも変わらない。ユニクロの面白いところは、サービスも含めて行っている。しかもターゲットが高級志向のお客さんでなく一般人。

 無印良品も、フランスでもおしゃれなイメージがあって、評価している人はたくさんいました。最近はあまり聞かないが、少なくとも10年前はパリの無印のイメージは良かった。エリート志向というか、分かっている人が買うみたいな感じがあった。

:ロンドンでは無印は「MUJI」としてすっかり溶け込んでいます。ニューヨークには2007年末に進出して、現地のジャーナリストがカスタマーサービスに感動した、という記事をWIREDで読みました(関連記事)。

 これも読んでみると日本ではごく当たり前のことなんですが。日本の企業が持っているサービスのエッセンスをその国の人にアダプトして、消えないようにできれば、競争力になるということですね。

:押し付けてしまえばおそらく失敗します。向こうの人は自分の我を譲らないから。押し付けはおこがましいと思われる。

 店員たちに気持ちよく分かってもらえないと、お客さんに伝わるわけがない。向こうの社員教育に力を入れて、いかに納得いくような形で受け入れてもらえるか。インセンティブだけではうまく行かないと思います。一心同体になれるところまでどうやるか。簡単だとは言っていません。でもそれをうまくやることによって何とか成功できるのではないでしょうか。

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このコラムについて

メール・マーケティングに始まり、アフィリエイト、検索連動型広告、コンテンツ連動型広告、動画広告にRSS広告などなど実に多彩な発展を遂げているネットマーケティング。こうした広告のプラットフォームが次々と登場することは喜ばしい半面、企業は踊らされがちになります。本来、マーケティングとは何だったか?これを忘れそうになったときに皆様を原点に引き戻す、そういうコラムを目指しています。テクノロジーがどれだけ進化したとしても、マーケティングの原点はいつの日も変わらないのですから。

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著者プロフィール

関橋 英作(せきはし・えいさく)

関橋 英作 マーケティング・コミュニケーション・ユニットMUSB
青森県生まれ。
外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当。その多くを、トップブランドに導き、ギャラクシー賞グランプリをはじめ、NYADC賞、ACC賞など数多く受賞した。特にキットカットにおいては、クリエイティブの斬新さに加え、ビジネスの結果を出さなければ受賞できないAME賞(アジア・マーケティング・イフェクティブ賞)を2年連続グランプリの快挙。アジアマーケットナンバーワンを勝ち得た。また、日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラーを取得。消費者インサイトを深く洞察する。女子美術大学・拓殖大学非常勤講師。

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