「カンバセーショナルマーケティングの近未来」

カンバセーショナルマーケティングの近未来

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2009年12月2日(水)

“検索”を1つの行為としてとらえることの落とし穴

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 前回のコラムでは、「Search(検索)」に関するマーケティング活動の確認作業として、事業ドメインと関連語を組み合わせた検索キーワードに対応する重要性を紹介しました。

 これらの活動は、マスマーケティングにおいて大量の視聴者の認知を獲得しようとするプロセスと比べると、明らかに対象の人数は少なく、非常に地味な作業になります。そのため、なかなか重要性が理解できないという方もいるでしょう。

 ここで忘れないでいただきたいのは、複数語で検索している利用者はよりニーズが明確な利用者であるということ、つまり、より購入に近い潜在顧客であるということです。

 このコラムでは、何度も下記のAISASピラミッドの視点で、マーケティングプロセスを考えることをお勧めしてきました。

図●ネットマーケティングにおける役割分担

 上記の図を見ていただければイメージできるように、製品を認知していない人に認知してもらう通常のプロセスというのは、ある程度多くの対象に働きかけないと機能しません。

 テレビCMや新聞広告のようなマスマーケティングにおいても、ターゲットにあった媒体を使うことは重要ですが、ターゲットが製品に対して興味を持ってくれるかどうかは最終的には確率論。そのため、あまり細分化したターゲットにリーチするよりは、できるだけ多くの視聴者にまとめてぶつけた方が多くの人を「Attention(認知)」や「Interest(興味)」のプロセスに進めることができるとも考えられます。

 ただ、Search(検索)のプロセスにおいては、当然利用者の母数は大きく減っています。

 仮に、潜在顧客が日本に100万人いたとしても、1日や1週間で見ると、そのタイミングでわざわざ製品について検索しようという状態になっている人というのは、数百人や数千人に減っているのが普通なわけです。

 しかし、人数が少なくなったとしても、この数百人や数千人が、「Action(購買)」の直前の見込み顧客であるという事実は忘れてはいけません。

 例えば、特定のキーワードを検索している人が月1000人だった場合でも、そのうち10分の1の100人が自社の製品にたどり着いて10万円のテレビを買う決断をしてくれれば、月間1000万円の売り上げに貢献することになります。

 しかも、この状況を安定して構築すれば、年間で1億2000万円の売り上げに貢献できる可能性があるわけです。

 マスメディアでリーチできる人数を考えると、検索経由のアクセスの数というのは非常に少なく感じることが多いかもしれませんが、Action(購買)への距離感で見たときに単純に比較できない点は忘れないでください。

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著者プロフィール

徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
アジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役社長

徳力基彦  NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。
 個人でも「tokuriki.com」や「ワークスタイル・メモ」等の複数のブログを運営するなど、幅広い活動を行っており、著書に「デジタル・ワークスタイル」、「アルファブロガー」等がある。


このコラムについて

カンバセーショナルマーケティングの近未来

 インターネットの普及や技術の進化により、企業と利用者の関係は大きく変化しようとしています。検索技術やモバイル、動画など、めざましい技術の進化に目をうばわれがちな一方で、着実に存在感を増しているのが利用者の会話やクチコミです。インターネットを通じたマーケティングで本当に重要なのは、利用者の会話に耳を傾け、会話に参加し、一緒に考えていくことではないでしょうか?
 このコラムでは、「カンバセーショナルマーケティング」というキーワードで、利用者の会話に注目したマーケティングのあり方や可能性について考えていきたいと思います。

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