12月。この時期になると、東京・銀座の伊東屋の5階が騒がしくなります。該当フロアは手帳コーナー。来年の“パートナー”を物色する人々でごったがえしているのです。
多くの人は、来年はどんな手帳を使うのかを物色している様子です。サイズも大判からポケットサイズまで、色や素材、さらには中身も考えると多種多様。手帳を1冊持つだけでは不十分?と思わせるほどの、豊富なラインナップです。
この手帳の買い方・使い方の習慣において、草食系(農耕型)タイプと肉食系(狩猟型)タイプに分けられることをご存じですか?試しに伊東屋に行ってみると分かります。
肉食系(狩猟型)タイプは、長い時間、サイズも、色も違うものを手に取り検討します。来年のパートナーは誰にしよう。ショーケースに並んだ手帳たちを物色しています。
一方の草食系(農耕型)タイプは、今年と同じものを使うので、迷いがありません。
手帳の書き方にも差があります。
肉食系(狩猟型)の手帳は予定がみっしり書き込まれていることが多いです。自分の予定が毎日埋まっていることが達成感の印です(もちろん、肉食系でも、そうではない方もいます)。
予定は30分おきに書かれていたり、打ち合わせや会議を日に5本も6本もいれたりしている……。でも、これではミヒャエル・エンデの小説「モモ」ではありませんが、「時間泥棒」に遭っているのと同じです。時間に追い立てられ、その日のタスクを達成することばかりに集中し、翌日の準備もままならない。
これでは、せっかく時間をとってくれた先方に対して失礼に当たります。
あの土地、この土地と多くの企業や人と会うのは悪いことではありません。ただ、自身のキャパシティを超えてまで活動をすることは、命取りとはいえないでしょうか。
「Twitter」的な外山滋比古氏の手帳術
草食系(農耕型)は、自分の立ち位置を理解しています。植物のように、太陽の動きにあわせて、顔や体は動かしますが、根っこは地面の1点を軸に、ブレません。
毎年違う手帳を使う。これは、まだ自分のスタイルが確立されていないか、もしくは来年また新しい自分になりたいという欲求にほかなりませんが、効率的ではありません。
なぜなら1年間慣れ親しんだ「使い方」をリセットして、また新しい手帳の「使い方」を学んでいかなければいけないからです。これでは毎年「手帳1年生」のままです。実際、社長や役員クラスの方々に手帳の使い方を雑談で聞いたりすると、大抵の場合は、ご自身のスタイルを持っています。
毎年同じ手帳で、同じ書き方をしていれば、毎年日記ができるようなものです。名著「思考の整理学」で外山滋比古氏は、アイデアを手帳につけるという自分のスタイルを説明しています。
いちばん簡便なのは、手帖をもち歩くことだ。普通の手帖でいい。ただ、一日ごとの欄をすべて、着想、ヒントの記入に使うのである。もちろん、日付もケイも無視する。スペースを節約しなくてはいけないから、細い字で、要点のみ簡潔に書く。一つの項が終ったら、線を引いて、区切る。一ページにかなりたくさんの思いついたことが書ける。
制限があるから要点のみ簡潔に書く、というくだりは、140文字の中で情報発信力を求められる「Twitter」的ともいえる文言だとは思いませんか?
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