「草食系マーケティング」

草食系マーケティング

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2010年2月8日(月)

「オズモール」成長の一因は草食系マーケティング

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 先日、仕事で女性向けサイト「オズモール」を運営するスターツ出版さんにお伺いしたら、会員数100万人を突破したと教えてくれました。本当は別件の話をしにいったのですが、そこでの話が面白かったので、オズモールの成功について草食系マーケティングの視点で分析してみようと思います。

 まずはオズモールの説明をしましょう。オズモールは1996年に女性情報誌「オズマガジン」(スターツ出版)のWeb版としてスタート。現在のサイトコンセプトは「東京OLの恋とキレイを応援」で、それにマッチしたカテゴリー(例えば「占い」や「ホテル」)を用意しています。

 この中でも人気は「プレミアム予約」シリーズ。中でも憧れのホテルやサロンを8800円で利用できる「8800円のプレミアムシリーズ」は人気。ただ安いわけではなく、「ハイアットリージェンシー箱根リゾート&スパ」など、人気の宿を8800円で利用できるので、プチ贅沢の願望を満たすサービスとして愛されているようです。

 利用者数はこの数年間、右肩上がりで推移しており、この不況下、2009年は対前年比130%を達成。月間で最高3万5000組以上の予約数を記録しているというから驚きです。

会員属性は女性が8割、男性2割

 100万人のユーザーのうち、8割が女性。でも、男性も2割います。女性が多いのは分かるとして、なぜ男性が2割もいるのでしょう。話を聞いてみると「最近、草食系男子も増えてきてデートプランを自分で考えるより、オズモールで調べてみようという人がいる」とのこと。

 つまり、自分でデートプランを考えて、そのためにぴったりのレストランやホテルを1つずつ予約していくというよりは、オズモールの提案するデートプランをみて、良さそうなものがあればその場で予約したいという男性層が増えてきているということです。

 面白みがないと言えばそれまでですが、80万人を超す女性会員を有するオズモールです。男子が一人よがりで考えるデートプランよりも、はるかに女性に喜ばれるかもしれません。事実、こうした観点で男性会員になっている人もいるようで、要領のよい草食系ならではの発想にマッチしているサービスともいえます。

 もちろん、男女ともにユーザーを増やしていくためには、サイトコンテンツのクオリティが求められます。その点、オズモールはオズマガジンで培ってきた編集力があり、質の高いコンテンツを提供しています。

 でも、これだけならほかの出版社も同じようにインターネット上にオンラインマガジンを展開しています。オズモールが面白いのは、雑誌のようなクオリティを保つコンテンツを提供しながら、そこから実際に予約ができるということです。

 一般的に出版社系のオンラインマガジンで、例えば泊まりたいホテルがあったとしたら、ホテル宿泊予約サイトで調べて予約をする必要がありました。オズモールは、予約まで一貫して行えるハイブリッド型サービスなのです。

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著者プロフィール

中村祐介
エヌプラス 代表取締役

中村祐介

日経BP社の記者職を経てエヌプラスを設立。ソニーやグーグル、KDDI(au)、二期リゾートなど多数の企業のマーケティングやブランディング、Web、PR、イベントなどのコンサルティングやプランニングに携わる。ビジネス書、小説、翻訳書の執筆などの創作活動を行うほか、講演活動も行う。プライベートではRIA(Rich Internet Application)コンソーシアムの運営委員や、自由大学の教授、日本冒険作家クラブに所属するなど、多種多様な活動を行う。Blogは「中村祐介のコミュニケーション戦略メモ」。近著に「ユーマネー」。


このコラムについて

草食系マーケティング

「顧客を囲い込む」など、これまでのマーケティングのテーマは主観的、かつ、能動的なものでした。しかし、現在は消費者が主体の世界。こうした“肉食系”のマーケティング戦略では支持されません。新しいマーケティング戦略とは、「顧客に囲まれる」、つまり“草食系”のマーケティング戦略が必要になってきています。どんなテクノロジーが登場しても、消費者に「選んでもらう」「支持してもらう」ことがマーケティングの本質。細かいメソッドに踊らされず、根っこにあるものは何かを考えていける、そんなコラムを目指しています。

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