困ったときのブランド頼みではありませんが、最近の地方産物のブランド化には、首をかしげてしまいます。名前さえ付ければ、差異化ができる。消費者に対してインパクトを与えることができる。大真面目にそう思っているのではと思うと、ゾッとします。必死なのは分かりますが、これだけでは地方の再生はおぼつかないでしょう。
ちょっとだけ、みなさんも思い出してみてください、地方産物のブランド品。私の頭には、魚沼産コシヒカリ、関サバ、とちおとめ、美濃和紙などが浮かびましたが、みなさんはどうでしょう。
これらのブランドが有名なのは、特産物ブランドの先駆けだったり、高級志向の時代の後押しがあったり、ほかの作物に問題があったりしたことが、そのブランドを後押ししたという明快な理由が存在していました。
しかし、このところの“ブランド化”の乱発はどうでしょう。何だか分からないブランド名が全国規模で百出状態。消費者は混乱するどころか、ほとんど視界に入っていないというのが実情ではないでしょうか。
もともと、地方の農産物や海産物が有名なのは、その土地の文化や風土と密接につながっていたからでした。北海道の川を格闘しながら上ってくる鮭の姿、青森のリンゴ園の風景、網でうごめく福井の越前ガニ、鹿児島の雄大な養豚場。そんなイメージが消費者の心に残るからこそ、地方産物ブランドはそのポジションをしっかり固めてきたのです。
そう考えれば、ブランド化は一概に間違っているとは言えません。要は、ブランディングのやり方の問題なのです
いつもお話していることですが、ブランドとは心理的な差異化要因。それが、消費者の心の中で育っていくことで、ブランドに対する特別な感情が生まれてくるのです。ただ面白い名前を付けて、○○フェアだけでは一過性の関心しかつくれません。当然、ブランドとして育たないし、地域との結び付きも記憶されにくいでしょう。
では、どうやって地域とブランドを結び付けていくか。前回も少しだけ触れましたが、岩手県の「三陸とれたて市場」の例。 このサイトは、見ているだけでもワクワクしてきます。漁をしている船上を生中継し、揚がったばかりの魚をネットでセリにかける船上オークション、魚市場の水揚げ速報映像、朝揚げ直送とれたてメニュー、三陸の旬の磯料理講座などがサイト上にピチピチと音を立てているようです。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。





マーケティング・コミュニケーション・ユニットMUSB










