「草食系マーケティング」

草食系マーケティング

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2010年7月27日(火)

ニコ生「動き出した電子書籍『AiR』、その表も裏もぜんぶ話します」の裏側

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 先週末の7月24日、知人の福井盛太氏が代表を務める東京・渋谷のSHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERSで「動き出した電子書籍『AiR』、その表も裏もぜんぶ話します」というイベントを行いました。

 AiR(エア)は、作家の瀬名秀明さん、桜坂洋さん、北川悦吏子さんなど、作家たちが書き下ろした作品をまとめて直販するモデルで、先月の先行販売を経て正式リリースとなりました(関連記事)。

 イベントはこれを記念したもので、「ニコニコ生放送」でも中継されました。

 AiR(エア)は、書き手たちが自ら挑戦し、ビジネスとしての成功も見据えることができたという点で先鞭(せんべん)をつけた格好です。イベントでは、この収益構造や進行、スタッフィング、電子書籍の展望などを公開しましたが、ここでは、さらにその場では話せなかったことを書こうと思います。

著者の印税、アップルの手数料

 イベント中にも質問がありましたが、「App Store」におけるアップルの手数料は30%です。これは、出版関係者に話すと「意外と良心的。50%くらい取っているのかと思っていた」という感想になります。

 実際に作り手には70%還元される仕組みです。

 ちなみに、出版社における著者の印税は10%が相場。最近では、8%など、10%に満たないこともあります。印税率が10%の場合、著者は1000円の本が1冊売れると、100円入る仕組みです。

 そんなにもうからないのです。

 本を作るには、紙代や印刷コスト、それに流通コストなど、「モノ」であるがために見えないコストもたくさんかかっているため、著者へ還元されるのはこの程度なのです。

 先日、私も「ユーマネー Free<タダ>でお金と自分を成長させる方法」(講談社)という本を発売しましたが、この印税率も10%です。

 出版社から発売されている紙の書籍が電子書籍化されると、価格が下がることがありますが、これは製造コストが抑えられるからです。印税率も10%よりは多くなり、私が提示されたのは15%でした。

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著者プロフィール

中村祐介
エヌプラス 代表取締役

中村祐介

日経BP社の記者職を経てエヌプラスを設立。ソニーやグーグル、KDDI(au)、二期リゾートなど多数の企業のマーケティングやブランディング、Web、PR、イベントなどのコンサルティングやプランニングに携わる。ビジネス書、小説、翻訳書の執筆などの創作活動を行うほか、講演活動も行う。プライベートではRIA(Rich Internet Application)コンソーシアムの運営委員や、自由大学の教授、日本冒険作家クラブに所属するなど、多種多様な活動を行う。Blogは「中村祐介のコミュニケーション戦略メモ」。近著に「ユーマネー」。


このコラムについて

草食系マーケティング

「顧客を囲い込む」など、これまでのマーケティングのテーマは主観的、かつ、能動的なものでした。しかし、現在は消費者が主体の世界。こうした“肉食系”のマーケティング戦略では支持されません。新しいマーケティング戦略とは、「顧客に囲まれる」、つまり“草食系”のマーケティング戦略が必要になってきています。どんなテクノロジーが登場しても、消費者に「選んでもらう」「支持してもらう」ことがマーケティングの本質。細かいメソッドに踊らされず、根っこにあるものは何かを考えていける、そんなコラムを目指しています。

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