前回のコラムでは、『グランズウェル』における「活性化戦略」の視点で、Twitterのマーケティング活用を考えるのであれば、単純に公式アカウントからの発信をするだけでなく、Twitter利用者に発言してもらう仕組みをキャンペーンに取り込むべきという話を紹介しました。
前回挙げた「UNIQLO LUCKY LINE」などの可視化の仕組みは、キャンペーンサイトや投稿サイトにTwitterで投稿する、キャンペーン限定で発言を可視化する仕組みでした。
今回は、それを一歩進めて、習慣や日常行為を可視化する取り組みについて考えてみましょう。
まず、具体的な成功事例として挙げるのは、以前に「企業のTwitter運営ポリシーを9つの視点から考える(その5)」で紹介した「ドロリッチなうbot」です。
「ドロリッチなう」発言に反応する@dororich
このbot自体はあくまで個人の開発者が開発したもので、製造元のグリコ乳業にとっては偶然の産物と呼ぶこともできます。ただ、ここでぜひ注目していただきたいのは「ドロリッチなう」と発言してくれる人が今も継続して存在しているという事実です。
ジュースやコーヒーなど何らかの飲み物を飲むことは、頻繁に発生する日常的な行為です。日常的すぎる故、飲んだ飲料の名前を必ずツイートする人はほとんどいません。
それがドロリッチにおいては、このbotが存在することにより、「ドロリッチなう」とTwitter上で発言すること自体が面白い行為と認識され、6万件以上の「ドロリッチなう」発言を誘発したことになります。
実際、私がざっと見ただけでも1人で90回以上「ドロリッチなう」と発言している人がいました。botに影響されて、ドロリッチを飲むたびに投稿することが習慣になっている人もいるようです。
もし通常は1000人に1人しか、ドロリッチを飲んだことをTwitterに投稿しないところが、botなどの取り組みによって1000人に2人に増えたとしたらどうでしょう? Twitter上のドロリッチに関する発言は2倍に増えることになります。botが一部で話題になり、飲む際の投稿が習慣化したことで、Twitter上でのドロリッチのクチコミのボリュームが増えている可能性があるわけです。
この現象がドロリッチの売り上げにどれぐらい影響を与えているかは、購入動機を調査しなければ分かりません。が、少なくともbotが存在しなかった場合に比べればTwitter上で「ドロリッチ」という商品名が広範に流布し、Twitterユーザーの目に留まることで、何か飲料を買う際にドロリッチを想起させる可能性は高まっているでしょう。
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NTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームを経て、2002年にアリエル・ネットワークに入社。ソフトウェアの企画や、ブログを活用したマーケティング活動に従事。2006年からは、ブログネットワークのアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画し、2007年7月に取締役に就任。ネットマーケティングやネットの最新動向に関する複数の執筆・講演活動も行っている。










