電子書籍のフォーマットを統一していこうという動きが、日本で活発化しています。それと同時に、マルチフォーマット対応の電子書籍の販売プラットフォームを構築していく動きもあります。
今、日本の電子書籍の課題の1つは、プラットフォームとフォーマットがいまいち統一できていないことです。例えば、携帯電話の電子書籍市場で主流となっているフォーマットは、ボイジャーの「.BOOK」やシャープの「.XMDF」形式ですが、いずれもクローズドの仕様です。どちらも私は使ったことがありますが、独自の書式のため使いづらい印象を受けます。
日本というのは、フォーマット作りが下手です。NTTドコモの「iモード」携帯電話が1つの例です。iモードは日本国内で圧倒的な支持を得ていた時、スペインやイタリアなどへと世界進出しましたが成功しませんでした。世界各国に広がる「iPhone」とは対照的です。
ガラケーの悪夢から脱却できない大人たち
iモード携帯電話は、世界的にみても優れた機能がてんこ盛りです。手のひらサイズにすばらしい技術とノウハウが詰まっています。中には「誰が使うのだろう?」という機能もありますが、よくぞこの小さいハードウエアにこれだけのものを詰め込んでいると一般生活者の目から見ても感心できます。そして、独自のプラットフォームで、コンテンツを閲覧できる仕組みを持っています。
一方のiPhoneはブラウザー機能がほかより強化されている携帯電話で、たくさんの機能はありません。シンプルなのです。そして、インターネット上にあるものを表示できるので、パソコンで読んでいたものをそのまま閲覧できます(Flashは表示できませんが…)。この点においては、iモード携帯電話と比べてオープンといえます。
この2つの携帯電話から学べることは、クローズドな仕様の下、独自に成長を遂げても、他国での普及は難しいということです。成長を続けるということは、よりその「場」に即したものに仕上がっていきます。iモード携帯電話は素晴らしい。日本人にとって最適化されている。でも、世界で見たらどうか? あまりに日本人に向けて高性能化されたハードウエアは、世界では通用しなくなってしまいました。それを世界向けに再カスタマイズすることは、作り直すのと同じくらい手間がかかります。
日本の電子書籍は、フォーマットをどうするかという議論も行われていますが、その議論をしている間に、世界では「EPUB」というフォーマットが普及しています。これはXHTML形式で作成し、ZIPで圧縮した後、ファイル拡張子を.epubに変更するだけで表示できるフォーマットです。Webサイトを作る知識があれば、誰でも電子書籍を作れるのです(電子書籍の話は、拙著『ユーマネー』にも書きました)。
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