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アジア市場をソーシャルに攻める「成熟度モデル」活用法

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  • 2011年9月26日 月曜日
  • 岩渕匡敦、辻佳子

 図2、3には、アジア各国のインターネット(ブロードバンド)普及率、携帯電話普及率を示している。この結果から、ブロードバンド環境はまだ十分には整っておらず、スマートフォンの普及も途上であるが、携帯電話は十分に普及していることが分かる。携帯電話からSNSに接続することが多いアジアの事情を踏まえると、SNSの活用環境という意味ではすでに十分に整っていると読み取ることもできるだろう。

図2 アジア各国における携帯電話の保有台数の推移(100人当たり保有台数)

図3 アジア各国におけるインターネット普及率の推移(100人当たりインターネットユーザー数)

購買時に信頼するのはテレビ広告18%、ネットクチコミ27%―インドの実態

 では、アジアの消費者における購買行動との関係はどうか。その一端を示すデータが図4である。そこには、アジア各国では、テレビ広告よりも、ネット上のクチコミ情報を信頼するという傾向が明確に現れている。

 「特にアジアの多くの国では、オンライン上のクチコミを元に購買を決めており、今後この流れはますます加速していくだろう」と、ニールセンジャパン、コンシューマー・リサーチのエグゼクティブディレクターの中屋孝行氏は語っている。

図4 アジアの消費者による各メディアへの信頼度

 ここまで紹介した図1~4から推察できることは、まずアジアにおいては、SNSに接続する手段や端末が十分に行き渡っていること。次にその多くの人たちがSNSを積極的に利用していること。そしてSNSで語られる製品やサービスの評判を高い確度で信頼する傾向があること、である。すなわち、先述の通りアジアにおけるマーケティング戦略を考えるにあたっては、SNSを含むソーシャルメディアの有効活用が重要になることが分かるだろう。

 弊社は、日本企業のアジア進出などに絡んで成功と失敗の姿を数多く目の当たりにしてきた。それらから導き出される成功と失敗の分水嶺となるのは、進出先の市場に対する「ローカリゼーション」、つまり現地化が徹底して行われたか否かである。

 アジアにおけるソーシャルメディア活用を考えるに当たっても同様である。アジアを一括りにして捉えるのではなく、対象となる国・地域・社会の特徴や特性を十分に理解・把握し、それに適応させていかなければならない。加えて、その特徴や特性を動的に捉える必要がある。

 アジアは、成長と発展のただ中にあり、海外からの様々な影響も受け、動的に変化し続けている。この動的な変化を踏まえ、その時点で顕在化している状況を把握するだけでなく、潜在的なニーズや将来的な動向を多面的に把握し、ローカリゼーションを進めていかなければならない。

「ソーシャルメディア活用の成熟度モデル」とは…

 一方で、詳細な状況把握や細やかなローカリゼーションを実施する前に、対象となる国・地域・社会の概況を把握し、それをインプットにしてソーシャルメディア活用の方向性を考察する必要もある。弊社は、こうした考えの下、「ソーシャルメディア活用における成熟度モデル」を考案した。

 それは単に、ソーシャルメディアをどの程度活用できるかという「成熟度のレベル」を定義しているだけではない。その適用に際して、対象となる国・地域・社会の状況を捉え、それを成熟度モデルに当てはめて、企業が目指すべきレベルを見定めるところに1つの特徴がある。

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