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第2回ソーシャル活用売上ランキング、ローソンが首位奪取、ソーシャル激戦時代に売る秘訣は
ランキング連載第1回

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  • 2013年2月22日 金曜日
  • 杉本 昭彦,中村 勇介

 マーケティングへソーシャルメディアを活用する企業は、いよいよ群雄割拠の様相を呈し、一般消費者を自社商品の購買へと誘う“壁”は、この1年で高くなった。一方、やり方次第では売り上げ貢献でライバル社を一気に抜き去る事例も数多い──。

 本誌はこのほど、「第2回ソーシャル活用売上ランキング」を発表した。昨年2月公開の第1回との比較から見えてきた実像だ。

 このランキング最大の特徴は、ソーシャルメディアを活用することで企業や商品ブランドが売り上げに結びついたかどうかを、2万9003人の消費者アンケートから明らかにした点にある。これを「消費行動スコア」と呼ぶ。またFacebookページのファン数やLINEの友だち数などを基にした「リーチスコア」を別途集計。2つのスコアを総合して偏差値化したのが「総合スコア」で、それに基づくランキングの20位までを以下に掲載した。21~200位をご覧になりたい方は、こちら(本誌読者限定)

 各企業の消費行動スコアからは、厳しい現実が浮かび上がる。このスコアは、ソーシャルメディア上で各企業・ブランド発の情報に接触した人(ソーシャル接触者)のうち、「購入や利用の候補に加えた」「購入・利用した」「繰り返し購入・利用するようになった」とアンケートで答えた人の割合から算出している。

 第1回では「購入・利用した」の全体平均が16.6%に対し第2回は12.6%へ、4ポイントも下落した。調査の対象企業・ブランドを前回の100から200に増やした影響も鑑みて、上位10企業・ブランドで平均をとっても26.3%から22.3%に下落している。

総合ランキング1~20位(スコアは偏差値、カッコ内は各スコアの順位)
総合ランキング1~20位(スコアは偏差値、カッコ内は各スコアの順位)

ソーシャル巧者にも下方圧力

総合スコア低下企業・ブランド10(上)と総合スコア上昇企業・ブランド10
総合スコア低下企業・ブランド10(上)と総合スコア上昇企業・ブランド10

 この“下方圧力”を強く受けた企業・ブランドを右に掲載した。ソーシャル活用巧者と呼ばれる企業も見受けられる。例えば日本航空。総合スコアは6.8ポイント下落し、順位は7位から35位に下がった。消費行動スコアを11.2ポイント下げたのが要因だ。ただこの消費行動スコアについては競合の全日本空輸も9.1ポイントと大きく下げている。全日空はその分を「LINE」活用などによってリーチスコアの上昇で補い、順位は4位から7位に下げるにとどめた。

 両社ともFacebookページのファンを前年比で2倍以上に伸ばしており、出張が多いビジネスパーソンやコアな航空ファンからファンのすそ野を広げた。結果、搭乗に直結させづらくなっていると解釈するのが自然だろう。

 こちらも巧者、「ザ・プレミアム・モルツ」は総合スコアを7.4ポイント下げ、順位を13位から68位に落とした。ただ、上記の運輸業界と異なり、ビールブランドが総じて順位を落としたわけではないので、少し分析を加えたい。

 ソーシャル接触者のうち「購入・利用した」人の比率は、20代、30代と比べて、40代、50代の落ち込みが顕著だ。40代が昨年調査の23.6%から今回は12.4%へ、50代以上は同33.2%から22.1%へ数値を落としている。一方、昨年はランキング圏外だった「ヱビスビール」は、今年23位にランクインしている。購入・利用比率は40代で26.7%、50代以上も26.8%に達する。

 両世代がビールメーカーにとって主たるターゲット層の1つとすれば、プレモルがFacebookページを開設した初期のころからファン登録している人も少なくなかろう。ところが、サントリーホールディングスによれば「投稿内容は、一昨年と昨年でほとんど変えていない」と言う。

 「琥珀ヱビス」など、期間限定商品を年間を通して複数展開するヱビスビールと比べると、「新商品」という意味でプレモルは投稿における話題性に乏しくなる。投稿内容にも変化がないことで、長年のファンに飽きがきても不思議ではない。ソーシャルメディアのアカウントを単品商品で立てる場合、投稿内容は柔軟に変えないと、サントリーあるいはプレモルほどの知名度があっても、常に売り上げにつなげるのは困難とも言えよう。もっとも出荷量ベースで見ればプレモルは極めて堅調で、2012年は前年比で10.4%増となっている。

ローソンが首位を奪取

 消費行動を誘発する壁が高くなる中でも、総合スコアを大きく伸ばした企業もある。ローソンは、昨年の75.6から12.8ポイント上昇の88.4を記録し、順位を1つ上げ初の首位に輝いた。また、この総合スコアを最も伸ばしたのがケンタッキーフライドチキン。14.2ポイントも上げた。この2社の強さの秘訣は特集後半で紹介したい。

 昨年のランク外から一気に20位圏内に飛び込んできた企業・ブランドも複数ある。化粧品ブランド「オルビス」(6位)、同「ロクシタン」(12位)、イオンのプライベートブランド(PB)「トップバリュ」(14位)、千趣会の通販ブランド「ベルメゾン」(16位)、そしてプレナスの弁当チェーン「ほっともっと」(17位)だ。

 彼らは初登場組ながらどうして上位に食い込んだのか。いくつかの企業に共通する強さのキーワードがある。「親しみ」と「信頼」だ。連載第2回は消費行動スコアが80.8と、全企業・ブランドで最も高かったオルビスを紹介したい。

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