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「もう“特例”とは言わせない」

大分県、障害者雇用の挑戦

2011年7月12日(火)

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 大分県別府市は、国内屈指の湧出量と豊かな海産物に恵まれた温泉街として、古くから観光客、湯治客で栄えてきた。

 今回、この別府周辺のもう1つの顔をご覧頂きたい。それは日本における障害者雇用の出発地点であり、国内でも有数の多様性を受け入れ続けてきた側面だ。

 別府市に隣接し、同様に別府湾を臨む日出町。小高い丘の中腹に、鮮やかな壁面の黄色が印象的な建物が現れる。ホンダの部品製造子会社、ホンダ太陽の日出工場である。

別府湾を臨む小高い丘の上にホンダ太陽の日出工場は設立された

 同社の社屋に一歩入ると、扉という扉は自動ドアか引き戸で、階段はなく、あるのはスロープとエレベーター。通路には手すりが巡らされる。これらは全て従業員たちが不便なく働くためのインフラだ。

 ホンダ太陽に勤める約200人の従業員のうち、半数近くは障害者手帳を給付された「障害者」が占める。車椅子で生活する社員も多く、ごく当たり前にこうしたインフラが整備されている。

品質でナンバーワンになる

 今からちょうど30年前の1981年に創業して以来、ホンダ太陽は自動車やバイクのメーターなど電装品類を生産。ホンダや系列の大手部品メーカー向けの下請けとして業容を拡大し続け、現在は別府周辺に3工場を抱える。

 この部品企業の掲げる目標、それは「品質でホンダグループ内ナンバーワンを目指す」こと。一見、ありふれた目標のようにも思えるが、背後には並々ならぬ覚悟がある。

 同社のように、全従業員の2割以上が障害者で、親会社が議決権ベースの株式の過半数を保有するなどの条件を満たした企業を「特例子会社」と呼ぶ。厚生労働省によって「障害者の雇用に特別に配慮した子会社」と定義され、助成金を受け取ることが可能だ。

 CSR(企業の社会的責任)の観点、さらには障害者雇用促進法の改正によって、こうした特例子会社の設立や、企業内における障害者雇用が増加していることは間違いない。社会倫理、そして制度の面で障害者を保護し、就業機会を促進しているためだ。

 しかし、これは親会社側の論理であり、当事者にとっては違ったものとして映る。ホンダ太陽の西田晴泰社長は従業員の立場を代弁するように言う。

「障害があることが特権であってはいけない。いつまでも“特例”と呼ばれているわけにはいかない」

 これこそが、「品質ナンバーワン」という目標に込められた覚悟である。インフラへの設備投資がかさむうえ、大規模な量産が容易ではない同社にとって、新興国をも巻き込んだ自動車部品の熾烈なコスト競争を勝ち抜くことは不可能に近い。

 コストで勝てなければ、品質で勝負する。他社よりも優れた品質で製品を提供できれば、障害など関係ない、一人前のメーカーとして認めてもらえるという思いが込められている。

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