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日本にさらなる「日本化」の恐れ

財政、景気、政治の三重苦にまた喘ぐ

2011年8月19日(金)

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 「烏合の衆」といえば、カラスの群れのことであり、寄せ集めでまとまりのない集団のこととは皆知るとおり。だが、カラスは鳥類で最も脳が発達しているらしいから、このたとえは正しいのかどうか…。

 と、かねて思っていたら、「語源の快楽」(新潮文庫)なる本で、烏は鵜と取り違えられている可能性もあると最近知った。鵜には烏鬼の異名があり、そこから鵜が烏に誤用されたのかもしれないというのである。

 さて、この集団は本当は賢い烏なのか、それとも勝手に騒ぐだけの鵜なのか…。

国際公約の財政再建に暗雲

 「日銀の直接引き受けで財源を捻出できる」

 「国債整理基金特別会計や外国為替資金特別会計の資金を使え」

 「そんなことをすれば、日本国債へのマーケットの信認はなくなる。出来る話ではない」

 2012~14年度の予算の大枠を示す「中期財政フレーム」が8月12日、閣議決定されたが、民主党内は財源のあり方を巡って、今もなお激しい意見対立が続いている。

 ぶつかり合いの焦点になっているのは、東日本大震災の復興財源。計画では、2011年度から5年間で約19兆円、2016年度以降の5年でさらに4兆円の計23兆円を投じて復興を行うとしたが、政府側が増税を中心にその財源を賄うとしたのに対し、民主党の一部国会議員が猛反発しているのである。

 党の東日本大震災復旧・復興検討委員会などを舞台にした応酬は、一見、議員の不満を吐き出させて決着を図るいつもの「ガス抜き」のように映るが、実態はさらに不安を拡大しかねない問題を様々に含んでいる。

 財政再建の遅れと景気低迷、政治のリーダーシップ喪失を、自らの「日本化」として欧米が恐れ始めたその問題が、“本家”日本でさらに深刻化しかねないという難題である。

「日本は突出して高い」

 例えば、日銀の直接引き受けや埋蔵金の掘り出しをあてにして、増税に頼らないか、増税の大幅圧縮を狙う増税反対派は、「党内の半数以上はいる」(民主党のある増税派衆院議員)と言う。

 これが過半となれば、下手をすると、来年度から3年間の予算方針を表す中期財政フレーム自体が崩れかねない。中期財政フレームでは、当初5年で19兆円の復興予算は、一般会計の中でも通常の予算とは別枠管理をすることになっている。

 ところが、それは復興予算の財源が確保されている場合。政治で揉めて、調達額が大幅圧縮となったり、時期が大幅に先送りされることにでもなれば「巨額の復興予算が通常の予算と別枠ではなくなりかねない」(ある財務官僚)のである。

 中期財政フレームは、復興予算が別枠になる前提で、(1)国債の元利払いに充てる国債費を除く政策的経費を2011年度当初予算並みの71兆円以下に抑える、(2)新規国債の発行額も同じく44兆円以下にする、としたが、それらはすべて崩れ、「国際公約になっている」(野田佳彦・財務相)財政再建自体にも重大な影響を及ぼすことになる。

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「日本にさらなる「日本化」の恐れ」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官