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騙された気分の「再エネ法」

今こそ「ゼロか1か」の議論から脱却を

2011年8月23日(火)

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 太陽光や風力で発電した電気を電力会社がすべて買い取ることを義務づける「再生エネルギー特別措置法案」が今週にも成立する見通しだ。来年7月からこの法律が施行されれば、標準家庭で月150円の電気代値上げになるという。

 「脱原発」を掲げる菅直人首相が自らの退陣の条件としていた法案のひとつ。民主党も自民党も、菅首相を引きずり下ろしたい一心で同法案を通過させた。経団連だけは最後にごねて、電力を大量消費する企業への割引措置を勝ち取った。だが、一般庶民は、あれよあれよという間に同法案が成立するのを、ただ見守るしかない。再生可能エネルギーの離陸のための痛みを、誰が引き受けるのかという国民的議論はなかった。

 いらいらするのは暑さのせいだけではない。福島第1原発事故の惨事の後、原発への不信から再生可能エネルギーへの期待が高まったのは事実だ。忌まわしい原発の代わりに、クリーンなメガソーラー(大規模太陽光発電所)を――。菅首相の「脱原発」に共鳴して国民はなけなしの“浄財”を供出することにした。だが、本当に再生可能エネルギーが原発の代替になり得るのか、という説明はなかった。

エネルギーの性質の違いを考慮せず

 需要変動に関係なく常に一定に供給されている電力をベースロードと呼ぶ。人が電気をあまり使わない深夜帯に街頭や信号を灯したり、深夜営業のコンビニエンスストアや夜間操業の工場の電力を賄ったりしている電力で、日本の場合は全電力の60%を占める。そして、原発はこのベースロードの約半分を担ってきた。太陽光や風力発電は、気候や天候による出力の変動が激しい。もちろん気象予報などで出力の変動をある程度計算に入れることはできるが、原発のように常に一定の出力を供給し続けることはできない。

 昨年7月に政府が決めた「エネルギー基本計画」がそれを証明している。同計画は、2030年までに原発14基を新設し、全発電に占める原子力依存度を現行の29%から53%に引き上げることが主眼だった。原発比率を上げることで発電コストを抑制しつつ、再生可能エネルギーも現行8%から20%に引き上げる――。つまり、原発が稼いだカネで再生可能エネルギーを養う制度設計だったのだ。

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「騙された気分の「再エネ法」」の著者

小板橋太郎

小板橋太郎(こいたばし・たろう)

前日経ビジネス編集委員兼副編集長

1991年立教大学文学部史学科卒、日本経済新聞社入社。整理部、社会部、産業部などを経て2011年から日経ビジネス編集委員。現在は日本経済新聞社企画報道部デスク

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官