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中国の違法動画サイトが日本潤す矛盾

汗を流した人と利益を得る人が異なる

  • 坂田 亮太郎(北京支局長)

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2011年8月26日(金)

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 今日は日本の皆様に、1人の中国人青年を紹介したい。本名は明かせないが名刺には「Squall Xu」と書いてあるので、ここではスコール氏と呼ぶことにする。1981年生まれの30歳。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)向けのゲームを開発しており、「サンシャイン牧場」というゲームを開発した実績を持つ。「牧場系」と呼ばれるソーシャルゲームの走りで、ミクシィ(mixi)などで遊んだことがある人もいるだろう。

 とは言え、今回、中国のゲーム事情について書きたいのではない。スコール氏を通じて、中国の若者を悩ませている戸籍問題と日本への旅行、そして中国における著作権の実態について話をしたい。何の脈絡もないように見えるが、スコール氏という若者ですべてつながっている。

美しい景色の中で1人寂しそうに写真に収まるスコール氏(30歳)

 写真に写っているのがスコール氏だ。場所は北海道富良野のラベンダー農園である。素晴らしい景色の中でどこか寂しそうな表情なのはワケがある。3年間付き合ってきた彼女と今年5月に別れたばかりだからだ。傷ついた心を癒すため、スコール氏は1人で北海道を旅行した。

 私はこの2カ月近くの間、「日経ビジネス」8月8日号の特集「『中国人旅行者』争奪戦」の取材のため、日本に旅行した中国人に話を聞いて回った。実際に日本を訪れた中国人が日本のどんなところが気に入り、逆にどこに不満を持ったのか知りたいと思ったからだ。

 その一環でスコール氏に話を聞くことになった。私はまず彼に日本のどこを訪れたのか尋ねた。「北海道です」との答えに、私は反射的に「映画の『非誠勿擾』(フェイチェンウーラオ)を見たんですね」と言った。

 「非誠勿擾」は2008年に中国で上映されて大ヒットした馮小剛(ファン・シャオガン)監督の映画だ。物語の後半で主人公たちが北海道の東部を旅する。その風景の美しさにたくさんの中国人が心を打たれた。その結果、中国で空前の北海道旅行ブームを巻き起こった。この映画は日本でも「狙った恋の落とし方。」という題名で上映された(DVDも発売されているので、まだ見ていない方は是非ご覧下さい)。

『拝啓、藤井樹様。お元気ですか? 私は元気です』

 私は早合点していた。スコール氏は「非誠勿擾」を見たから北海道を訪れたのではなかった。実は、岩井俊二監督の「Love Letter(ラヴレター)」を見て、その舞台となった北海道の小樽を自分の足で旅したいと考えたのだという。

 1995年に公開されたラヴレターは中山美穂と豊川悦司が主演したラブストーリーだ。私も学生の頃、映画館で見た。冒頭にヒロインである中山美穂が山の雪の斜面に横たわっている印象的なシーンがあるのだが、私の頭にはラヴレターと北海道はまったく結び付いていなかった。

コメント22件コメント/レビュー

CD価格の内外格差は、購買能力を考慮して決定されていると聞きます。要するに、金持ちからぶんどれ、ということでしょう。ただ、著作権料については、ジャングル大帝をアメリカ企業がパクったという噂にケリをつけない限り、東西の大陸から著作権料を徴収することは困難ではないかと。(2011/09/01)

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CD価格の内外格差は、購買能力を考慮して決定されていると聞きます。要するに、金持ちからぶんどれ、ということでしょう。ただ、著作権料については、ジャングル大帝をアメリカ企業がパクったという噂にケリをつけない限り、東西の大陸から著作権料を徴収することは困難ではないかと。(2011/09/01)

サンシャイン牧場を毎日プレイしている身として、そのアプリの作者がここまで日本の映画を愛し、日本に来てお金を落とし、日本の風景を愛してくれたことに感動いたします。そして映像やマンガのコンテンツ作者にとって、これ以上の感動はないのではないでしょうか。国内の利益で元が取れる間はそれで充分だろうし、海賊版だろうがなんだろうが、作品は知られなくては意味がありません。実際は海外でも簡単にコンテンツに課金できる仕組み、課金させてくれる仕組みがあればいいんじゃないでしょうか。「これにお金を払いたい」と思ったときにすぐに払える仕組みを作ることのほうが、結果的には全ての利益になるような気もします。(2011/08/31)

著作権について、出版/報道業界(に限らず昭和初期の体制を残してる業界)を牛耳る大手は、既得権益とも呼ばれる成功体験と目前の小銭ばかりに目が行っている場合が多く、それがこの記事のような状態を誘引していると考えています。これには功罪あって、例えば終身雇用年功序列にも成功例があり、競争制度の導入にも成否が別れることと同じように思います。守られすぎているとも言えるし、だからこそ安心できるとも言える。アメリカの市場開拓精神と比較されることも多いですが、逆に日本の場合、公には"一応"海賊版を非難する姿勢を取りながら、積極的な壊滅策を取らないという選択肢の方が合っているのではないでしょうか。これもまた著作権料は実質無料です。(2011/08/30)

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