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「アジアで起業」第2次ブーム到来

隙間だらけの市場に打って出る

2011年9月15日(木)

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 「若者の内向き志向」という表現をよく目にするようになった。ハーバード大への留学生が減った、海外旅行へ行かなくなった、などの現象を通じ語られるものだ。ある総合商社の役員から「海外赴任を敬遠する若手が増えている」という愚痴も聞いたことがあるから、そうした傾向があるのも事実だろう。

 ただこの「内向き志向」というフレーズを聞くたびに、本当にそうなのだろうか、と感じる。中国やアジアには、日本を飛び出して働いている数多くの日本人がいる。それも企業の駐在員だけでなく、自ら会社を起こしたり、現地企業の社員として働く20代~30代が増えているように思えるからだ。

 ベトナムで出会ったある男性もその1人だ。

 ホーチミンの中心部、レタントン通りから1本裏手に入った路地にこの5月、あるピザ屋がオープンした。名前は「4P's」。本格的なナポリピザを売りにする店だ。オープン間もないにもかかわらず、現地在住の日本人や外国人、そしてベトナム人の間で話題となり、世界的な旅行情報サイト「トリップアドバイザー(tripadvisor)」ではホーチミンのレストランの中で1位に評価されている。

ベトナム・ホーチミンでピザ屋をオープンさせた益子陽介氏。ピザ作りで最も重要な窯も仲間と一緒に自ら設計した

 オーナーの益子陽介氏は32歳。独立前はサイバーエージェントの子会社、サイバーエージェント・ベンチャーズで働いていた。ホーチミンにある同社のベトナム事務所に2008年に赴任後、数多くの投資案件を発掘した実績を持つ。

 益子氏が会社を辞めたのは2010年8月。起業は以前からの目標だったが、ピザ屋の経営が益子氏の目的ではなかった。子供が楽しみながら学べる「エデュテイメント」施設を作ること。そしてそれをアジア各国に展開すること。それが最終ゴールだ。

 とはいえ教育分野はまったくの素人。何から出発すべきかを考えた結果が、ナポリピザの店だった。ベトナム最大の都市であるホーチミンには、本格的な窯で焼いたナポリ本場の味を再現するピザ屋はなかった。ニッチではあるが、競争がないいわゆる「ブルーオーシャン」と呼ばれる市場があった。

 ベンチャーキャピタリストだった益子氏は多くの経営者と接し、成功するベンチャー企業の条件を肌で感じ取っていた。「成長市場でビジネスをすること」。単純であるが、これは日本では難しい。

 日本を含め先進国では、どんな市場であれ多くのプレーヤーが厳しい競争を繰り広げている。よほど独自性のある技術力かビジネスモデルでもなければ、成功は難しい。しかしアジアに目を転じると、プレーヤーが存在しない市場が山のようにある。いかにそのすき間を見つけて早く飛び込むかだ。

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「「アジアで起業」第2次ブーム到来」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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