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超円高から「下町ロケット」を救え!

野田新政権に「中小」の悲鳴は聞こえているか?

2011年9月20日(火)

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 リンゴなどの果樹園が広がる長野県飯田市。くだもの畑を見下ろす丘の上に、「産業遺産」と見紛う佇まいの、木造の古い工場建屋が整然と並ぶ一角がある。トヨタのハイブリッド車、プリウス向けでセンサーモーターのシェアを一手に握る多摩川精機(萩本範文社長)の本社工場群だ。

 戦時中に戦闘機向け燃料メーターを作っていたこの建屋では現在、宇宙関連向けの高精度センサーモーターの配線部品などが、熟練した女性従業員の手作業で生み出されている。最終工程こそ、敷地の一角に新しくできたクリーンルーム棟で仕上げられるが、同社には、ハイテク機器を駆使した大手企業の巨大生産拠点にありがちな無機的なイメージはない。代々、設備を大事に使ってきた同社の精神には、コスト意識を強く持ち続ける日本の中小企業魂の心髄が垣間見える。

コスト削減の流れを好機に

 多摩川精機は現在、来年に打ち上げが予定される小型地球観測衛星「ASNARO(あすなろ)」に搭載するアンテナの駆動機構を開発・製造中だ。日本の宇宙産業で、特に中小企業の多くが単体のパーツの製造を中心に手掛けてきた中で、同社のケースはまだ珍しい。

 複数の部品が組み合わさることで機能が複雑化したコンポーネントやシステムの段階まで担う信用力は従来、中小企業には求められてこなかった。しかし、小型衛星の需要が今後増えることが予想される中、信頼性が高いシステムについてもコストをさらに安く仕上げたいとのニーズは強まっているという。これまで積み上げてきた実績の信頼性が高く、製造コストが大手よりも安い一部の中小企業にとっては、「コスト削減を求められる流れは、むしろ好機」(多摩川精機の熊谷秀夫常務)というわけだ。7月に直木賞を受賞した小説「下町ロケット」(池井戸潤著)に描かれた職人の心意気が、まさしくそこにある。

戦時中から使われている多摩川精機の本社工場(長野県飯田市)。今では宇宙技術もここから生み出されている(写真:都築雅人)

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「超円高から「下町ロケット」を救え!」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官