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ITで復興費用の「見える化」を

費用の妥当性、効果を分かりやすく示せ

  • 中島 募

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2011年9月26日(月)

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 10年間で総額23兆円。政府が見積もった東日本大震災の復興費用だ。現在、政府はこの費用をどうやって捻出するか検討を進めている。具体的な方向性はまだ確定していないが、増税などの形で国民が負担することになるのは間違いない。

復興費用の妥当性と効果検証に疑問

 被災地では多くの人が不便な生活を強いられ、不安な日々を送っている。被災した人たちの平穏な日常を取り戻すためにも、惜しまず費用を投じることに異存はない。ただ1つ気になるのが、23兆円という額の算定根拠と使い道だ。費用がどのように見積もられたのか、具体的にどんな事業を想定しているのか、各事業でどんな効果が期待できるのか、といったことがいまひとつ明確になっていない気がする。

 今回の復興費用に限った話ではないが、政府支出は「○○兆円」といった大枠はテレビや新聞などで広く報道される。しかし、「子ども手当」のような話題性のあるものでない限り、細かな内訳が話題に上ることは少ない。財務省のウェブサイトに公開されている予算書・決算書に支出の目的や金額が書かれているが、詳細を把握しようとしても非常に分かりにくい。問題は「見せ方」の問題だと思う。公開はしているが、国民に積極的に伝えようとする意思が感じ取れない。

 政府は長引く不況に対し、これまで数兆円規模の景気対策を講じてきた。しかし、国民は景況感の改善を一向に実感できない。まるで、「砂漠に水を巻いている」かのような思いがするのは私だけだろうか。

 このような状況で、震災復興のためとはいえ、国民にさらなる負担を求めたら、果たしてどこまで世論の理解を得られるか。また、そもそも復興事業が本当に無駄なく実行できるのか。政府は事業仕分けで、復興事業の無駄も削減すると言うが、過去の事業仕分けの結果を見る限りあまり期待できそうにない。

 そんなもやもやとした思いを抱えていたある日、取材先で「復興費用の透明化」の話題を耳にした。

ITで政府支出を透明化した米国

米国のバラク・オバマ大統領が就任後に実施したプロジェクトの1つに、「RECOVERY.GOV」というウェブサイトがある。2009年2月に米国で景気対策法が施行された時に、同法に基づく政府の支出を透明化する目的で開設されたサイトだ

米国政府が投じた景気対策費用の使途と効果が公開されている「RECOVERY.GOV」

 米国政府が景気対策に投じた費用は、総額7870億ドル規模にもなる。RECOVERY.GOVでは、この費用の詳細な使途と効果が公開されている。例えば「どの地域でどのぐらいの予算をかけてどんな計画を立ち上げたか」「計画の進捗状況はどうか」「計画でどのくらいの雇用が創出されたか」といった情報が、地図やグラフなどを交えて視覚的に表示される。分かりやすさでいうと、日本政府の公開情報とは天と地の差だ。

 しかもRECOVERY.GOVでは、電子メールやフェイスブック、ブログ、ツイッターなど様々な手段で米国民の意見を募っている。RECOVERY.GOVの公開情報などを基に、経済学者など多くの研究者が支出の妥当性や効果の検証も行っているという。

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