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ドラッグストアで「ロキソニンS」「ガスター10」が買えない

かけ声ばかりのセルフメディケーション

  • 飯山 辰之介

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2011年9月29日(木)

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 「すみません。この店には薬剤師がいないので、第一類の薬は置いていません」

 埼玉県郊外のドラッグストアに第一三共の解熱鎮痛薬「ロキソニンS」を買いに訪れた記者は、店員からこう返され、手ぶらで店を後にせざるを得なかった。後日、この店の周辺で数軒のドラッグストアを回ってみたが、結局7店中3店で、ロキソニンを含む一類の医薬品を購入できない状況にあることがわかった。

 あるチェーン店の店員は「会社全体で薬剤師が不足しており、近隣にある旗艦店でしか一類の医薬品を買えない」と漏らす。店内に目を移せば、かつて医薬品を販売していたと見られるガラスケースに、害虫の駆除剤が詰め込まれていた。

 ここで言う一類の医薬品とは、2009年に施行された改正薬事法で定められた医薬品分類の一つである。改正薬事法ではリスクによって大衆薬を3つのカテゴリに区分けしている。比較的リスクの低いビタミン剤などを第三類医薬品に、風邪薬など比較的高いものは二類に、そして特にリスクの高い医薬品は第一類に位置づけている。

 第一類には今年3月に発売されたロキソニンや胃腸薬のガスター10など、これまでは医師の処方箋がないと使用できなかったスイッチOTCと呼ばれる医薬品が含まれる。ちなみに第二類、三類の販売に関しては1年の実務経験と筆記試験をパスした登録販売者がいれば販売できるが、第一類は薬剤師でなければ販売できない。

 なぜ大衆薬を売る専門店であるはずのドラッグストアで、記者は第一類の薬を買うことができなかったのか。この疑問の根元には、日本の社会保障制度に関わる問題が隠れている。

大型の第一類登場でも市場は微減

 厚生労働省はセルフメディケーション(自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること)促進の観点から、一般用医薬品を販売するドラッグストアや薬局の役割を重視している。

 医者にかからずとも、患者が薬剤師と相談しながら大衆薬を用いて疾患に対処できれば、医療機関への受診を抑制できる。それは増加の一途を辿る日本の医療費抑制にも貢献するだろう。そして、セルフメディケーションの普及には大衆薬の市場拡大、特にスイッチOTC薬を含む第一類の普及が不可欠だ。

 第一三共のロキソニンに続いて、エスエス製薬が今年度中に医療用医薬品で実績のある花粉症などの抗アレルギー薬を発売するなど、第一類の市場拡大に向けた動きはある。

 だが大衆薬の市場全体を見回すと異なる事情が見えてくる。

 調査会社の富士経済によれば、2010年の一般用医薬品の市場規模は約5987億円で、前年比2%減。第一類についても298億円で同1%減となっている。2011年はロキソニンの登場により第一類は増加に転じると予測しているものの、横ばい傾向は変わりそうにない。日本の医療費が増加し続けているのとは対照的だ。つまり第一類の医薬品はセルフメディケーション促進の起爆剤になっておらず、そしてドラッグストアもその拠点になっていないのだ。

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