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復興財源で試される民主党の改革姿勢

古賀茂明氏が語る公務員制度改革が進まないワケ

2011年10月11日(火)

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 やめさせて、騒ぎにならなければそれでよし、ということか--。

 古賀茂明氏が9月26日、経済産業省を退職した。改革派官僚として知られ、公務員制度改革にはとりわけの力を注いできたが、約2年に及ぶ官房付という名の窓際暮らしの果てに待っていたのは、枝野幸男・経済産業相の国会での突き放したひと言だった。

 「(前々任の)海江田大臣以後の判断の下、(古賀氏の退職)手続きは進められており、これを了とした」

 2日後の28日、政府と民主党は東日本大震災の復興財源に充てる税外収入に小さな一項を忍ばせた。「公務員人件費の見直しで6000億円」。

 増税幅を当初予定より圧縮するための税外収入の上積み2兆円の中にこれを入れ、公務員制度改革の“成果”を問わず語りのようにのぞかせたのである。

これだけの捻出を税以外で見込むが… 「復興財源のうち主な税外収入」
税外収入 項目 収入規模
当初案の3兆円 子ども手当見直し 2.1兆円
高速道路無料化の中止 0.5兆円
東京メトロ株売却 0.1兆円
上積みした2兆円 財政投融資特会の剰余金 0.8兆円
JT株の一部売却 0.5兆円
公務員人件費見直し 0.6兆円
エネルギー特会見直し 0.1兆円
追加上積みを検討する2兆円 JT株の全株売却 1兆円
エネルギー特会の保有株売却 0.7兆円
財投特会剰余金 0.3兆円

古賀問題と税外収入の共通項

 一見、何の関係もなさそうな2つの出来事はしかし、その底で太い地下茎を成しているのではないか。「公務員制度改革はほどほどに留めておく」、あるいは「大改革などとてもできない」という暗黙の意図である。

 政府は今年6月、一般職の国家公務員給与を2013年度末まで平均で7.8%引き下げる給与引き下げ法案と、国家公務員に給与の労使交渉などを行う協約締結権を与える関連法案を国会に提出。公務員制度改革に力を入れる形は作った。

 だが、自民党などの反対で審議入りもできず継続審議で塩漬けになったまま。6000億円は、法案が通過した場合に年間3000億円の削減になる分(×2年)を先取りしたものだ。まるで絵に描いた餅のようだが、うがって言えば、それでも法案を通過させて復興財源を確保しようとする姿勢を示そうとしたようにも映る。

 しかし、これまでの民主党政権の公務員制度改革に対する動きを眺め直してみれば、首をかしげざるを得ない疑問が数々浮かんでくる。

 公務員制度改革がなぜ必要なのかは今更言うまでもないだろう。国家公務員だけ見ても、「省益あって国益なし」とさえ言われた縦割り行政の中で各省庁が抱え込んだ権限は、予算と結びついてムダを生み、経済と国民生活の活性化を妨げる要因の1つにもなってきた。

 族議員は官と結びつき、規制と予算を肥大化させ、官はその中で天下り先を確保してきた。そしてなにより公務員の人件費は国だけで7兆5000億円、地方を合わせれば27兆2000億円(ともに2011年度見込み)もの巨費になっているからだ。

 経済や財政の様々な改革に臨もうとしても、規制と予算を官僚が握って動こうとしなければ、やがて骨抜きにされ、改革自体進まない。つまり、日本の改革の本丸は、公務員制度改革にあるとさえいえる程なのである。

 自民党政権の末期からこの改革に力が入り始めたのはそのせいだった。安倍晋三政権は2007年6月に改正国家公務員法で、省庁による天下りのあっせん禁止の先鞭を付け、翌年6月には福田康夫政権が国家公務員制度改革基本法で、各省庁幹部職員の人事を一元化する人事局設置の考え方を示した。

コメント14件コメント/レビュー

古賀氏の言い分を鵜呑みにした結果、ミスリーディングで残念な記事になってしまった。まず、公務員の人件費が国だけで7.5兆円とあるが、これには義務教育の国負担分が含まれる。実際の国家公務員の人件費は5兆円余。しかも、その4割は自衛官、その他も多くは刑務所、税務署など現場の職員である。地方でも、人件費の多くは、学校の先生、福祉事務所の職員、警察官である。(これらは財務省や総務省のサイトで簡単に確認できる。)当然ながら、古賀氏のいう改革をすすめても、こうした人件費の削減に直接はつながらない。結局、古賀氏の頭の中には、公務員といえば霞ヶ関のキャリア官僚のことしかないのだろう。(2011/10/11)

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「復興財源で試される民主党の改革姿勢」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

古賀氏の言い分を鵜呑みにした結果、ミスリーディングで残念な記事になってしまった。まず、公務員の人件費が国だけで7.5兆円とあるが、これには義務教育の国負担分が含まれる。実際の国家公務員の人件費は5兆円余。しかも、その4割は自衛官、その他も多くは刑務所、税務署など現場の職員である。地方でも、人件費の多くは、学校の先生、福祉事務所の職員、警察官である。(これらは財務省や総務省のサイトで簡単に確認できる。)当然ながら、古賀氏のいう改革をすすめても、こうした人件費の削減に直接はつながらない。結局、古賀氏の頭の中には、公務員といえば霞ヶ関のキャリア官僚のことしかないのだろう。(2011/10/11)

そもそも支持母体の一つとして官公労に依存している民主党、更に政権運営に未熟がゆえに官僚依存を強化している民主党に公務員改革など出来るわけがない。古賀氏の処遇をみても良くわかる。いたずらに幻想を抱いてもしょうがない、これが現実。(2011/10/11)

古賀氏が切り捨てられたのは一体改革をするつもりがない政に操られた結果だ。公務員制度改革は公務員だけを単独で行おうとするからうまくいかない。日本の制度改革の本丸は公務員制度の改革だけではない。問題の本質は政官の癒着にある。政が立法府としての機能を官僚に依存しているためで、政官分離の一体化改革が必要だ。しかしこれはどの政党が政権を取ったところで変えるのはかなり難しい。民主党が官僚依存体質を改めようとしたが、官僚抜きでの国政はうまくいかなかった。みんなの党が政権を取ったとしても官切り捨てを行えばたちどころに国政は麻痺すると思える。中長期的に官の機能を縮小し、立法府行政府の役割分担を明確にする必要があるが、今の政にその力はない。行政機能の縮小に伴い行政サービスの切り捨てを大胆に行い人件費と不急不要な歳出をカットし、複雑化した法令もシンプルに改編する。これにより大幅な公務員制度改革が可能となるが、歳出縮減によるしわ寄せは、政官のみならず受益者である国民にも及ぶことも覚悟せねばならない。官から民への流れは、民のビジネスチャンス拡大もあるが、税や借金により負担してきた行政サービスの民への転換も含まれるため、政が身を切ったとしても大胆な改革は国民の支持を得られる確信が政にもないということだろう。(2011/10/11)

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