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お辞儀と名刺交換で物は売れない

新興国で日本が苦戦する本当の理由

2011年11月1日(火)

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 「新興国に自ら営業しにきたと言いながら、その場で商談が進まない。日本企業は何のために役員をわざわざ派遣しているのか」

 スマートシティの開発にかかわるシンガポール政府関係者は半ば呆れながら、こんな疑問を口にする。

 その言葉の背景には、こんなエピソードがあった。

 新興国の政府関係者が集まるパーティに日本企業の役員が参加。「スマートシティの事業を手がけています。ぜひよろしくお願いします」と挨拶してきた。日本の技術に興味津々の新興国側の出席者は「こんなスマートシティを作りたい。どんなプランが考えられるか」と質問を浴びせたが、その役員は「検討します」を繰り返すだけで、具体的な提案などは一切なし。やり取りは、ここで終わってしまった。

 最近は、新興国における日本大使館主催のパーティに人が集まらないという。「日本人は挨拶と名刺交換は欠かさないが、その先がない」。これが、新興国の関係者が抱いている共通の感想だそうだ。

 このシンガポール関係者に言わせると、韓国企業の役員の姿勢は全く異なるという。

 パーティでは挨拶も早々に、いきなり自分たちのプランを提案する。相手が「面白い」と乗ってこようものなら、「もっと具体的な話をしたいから、明日の朝、時間はないか」とまくし立て、その場で翌朝の商談を決めてしまう。

 何より日本企業の役員と企業と決定的に違うのは、「やりましょう!」と、その場で宣言してしまうことだという。

 「新興国の関係者には、事業を統括しているはずの役員が、その場で何も決められないのが不思議で仕方がない。どんなに良い技術を持っていても、挨拶と名刺交換だけではモノは売れないと思う」

 多少誇張した部分もあるとは思われるものの、実は、この手の話を海外政府関係者から聞くのは珍しいことではない。どうやら、「本社の許可がなければ決断できない」という古くから指摘される日本企業の弱点が、新興国営業でもハンディの1つとなっているのは間違いないようだ。

 とりわけ、インフラ輸出ではスピードの遅さは致命的になる。一刻も早く社会的基盤を整備しようと必死の新興国政府や自治体に、本社と連絡を取り合って進めるのんびりとした商談が通用することはまずない、と言える。

コメント10件コメント/レビュー

おそらく、出張してきている役員は、自らの出張日程すら自分で変更できないのでしょう。(2011/11/01)

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「お辞儀と名刺交換で物は売れない」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

おそらく、出張してきている役員は、自らの出張日程すら自分で変更できないのでしょう。(2011/11/01)

コンプライアンスやSOX法の強化は、日本追い出しの戦略かも。糞真面目な日本人に守らしておけば、奴らは自滅する、と。事実自滅している。行動を自主規制し、動けない営業マンがどれほどいるか。コンプラ担当役員が保守であればあるほど、その会社は自滅する。商談は個人の信頼関係によるところ大きく、あとは話半分、いい加減な取引が世界の趨勢と思うが。。。(2011/11/01)

まだこんな営業?をしている人が、国内にも多いですね。(迷亭寒月)(2011/11/01)

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