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「インド式」医療は世界を救うか

社会起業家が実現した大量手術の極意

  • 大竹 剛(ロンドン特派員)

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2011年11月2日(水)

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 最近、妻の出産とその後の入院に付き添ったことで、英国の医療サービスを体験する機会があった。NHS(ナショナル・ヘルス・サービス)と呼ばれる公立病院では、診察から手術、入院までの費用は原則的に無料だ。英国が福祉国家と言われる所以だが、それが英国の財政に大きな負担となり、人員カットによるサービスの質の低下などが社会問題となっている。

 何かをお願いすれば、数時間も対処してもらえないことは当たり前。ある医療機器の扱い方が助産師と医師の間で周知されておらず、その結果、治療効果が上がらずに入院期間が長引いた。

 「ごめんなさい。今、忙しいから」「今日はスタッフが少ないから仕方がないの」「それは私の仕事じゃないのよ」。そんな言葉を何度も聞いた。もちろん、NHSの名誉のために捕捉しておけば、出産時に予期せぬ緊急事態に見舞われた時の対応は驚くほど素早く、娘を無事に取り上げてくれた医師や助産師たちには心より感謝している。ただ、英国のみならず、日本でも財政難などから医療現場の崩壊が叫ばれて久しく、先進国の医療システムが直面している深刻な問題を垣間見た気分だった。

 ここでなぜ、英国の公立病院の話を持ち出したかといえば、改革の必要性が盛んに議論されているNHSのサービスを経験し、その数週間前にインドで取材した病院の取り組みを改めて思い出したからだ。その病院の取り組みは、先進国の医療が抱える課題を解決するうえで、1つのヒントになりえるかもしれない。

インドのマドゥライにあるアラビンド眼科病院の本部

年30万件の手術、世界最大の眼科病院

 その病院は、アラビンド眼科病院という。医療インフラが圧倒的に不足しているインドにおいて、先進国の常識では考えられない経営手法で、貧困層も含む膨大な数の患者に低コストの医療サービスを提供している。アラビンド眼科病院は、イノベーションや社会起業家の教科書的な存在として、欧米のビジネススクールなどでも取り上げられてきた注目の病院だ。日経ビジネスのバックナンバーが手元にあれば、9月19日号の特集「強敵!BRICs企業」も併せてお読みいただきたい。

 アラビンド眼科病院は、IT(情報技術)関連企業が集積しているバンガロールから、飛行機で1時間ほど南下したマドゥライという地方都市にある。周辺地域も合わせると、インド南部に5つの眼科病院を持ち、年間250万人以上の患者を診察し、白内障を中心に年間30万人に手術をしている。現在、2020年までに手術件数を年間100万件に引き上げることを目指している世界最大の眼科病院だ。

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