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格付け会社なんか、もういらない?

金融危機後の信用失墜から陰謀の黒幕説まで

2011年11月14日(月)

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 最初に断わっておくが、筆者は別に格付け会社援護派ではない(そんな派があるとしたらの話だが)。だが、ときどき格付けを取り上げる。それは、格付けが当節重要性を増す一方の「信用リスク」という要素と密接不可分であるからだ。また、そうであるにもかかわらず依然として誤解や偏見が甚だしいからでもある。

 ジョセフ・E・スティグリッツは、金融はもはや「貨幣」を中心に動いているのではなく「信用」こそがカギであるとした。そして、銀行やその他の機関が信用度をどのように評価するかを理解することの重要性を説いた。この重要性は、国家の信用が揺らぐような事態が続出しているいま、いっそう高まっている。

 しかし、その信用度を評価するための「雑駁だが簡単便利な道具」としての格付けの意義を理解する人は少ない。「格付け」という、いかにもとっつきやすい名前が付いているがゆえに、企業の信用リスクを評価するためのこの指標は、ミシュランガイドの三ツ星と一緒くたにされたり、世界陰謀説の黒幕にされたり、いいようにおもちゃにされてきたようにもみえる。

 ふだん「信用リスク」を評価するという業務に携わっていない人々にとっては、誤解を積み上げて“こういうものだ”と思っていれば事足りるということもある。実際の必要に駆られていない人ほど感情的に反発する度合いが高いように見えるのもそのせいかもしれない。

 一方で、格付けというシステムに問題がないかというとそんなことはない。むしろ問題だらけといってもよい。サブプライムローンに始まる金融危機では、証券化商品格付けの過ちが広く知られるようになった。また、こちらはほとんど知られていないが、その過ちゆえに、金融危機後に格付け会社に課せられた厳しい規制もまた多くの問題を内包している。信用を評価するということの、本質的な難しさもある。

「格付け」について経営と財政を絡めて考えよう

 こうした「格付け」の持つ様々な側面を、企業の経営や国家の財政などに絡めて考えながら一度整理してみよう、というのが本コラムの趣旨である。欧州発の財政危機がいまだ安定せず(そのうちまた格下げのニュースが話題になるだろう)、日本企業のグローバル化が加速する(あらためて信用度を問われる機会も増えるだろう)状況であれば、ちょっと腰を据えて考えるには良いタイミングかもしれない。

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「格付け会社なんか、もういらない?」の著者

松田 千恵子

松田 千恵子(まつだ・ちえこ)

首都大学東京大学院教授

1987年東京外国語大学外国語学部卒業。2001年仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院修士。日本長期信用銀行、ムーディーズジャパンを経て、コーポレイトディレクションなどでパートナーを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官