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私が陸前高田市を支援する理由

「もう1度商売したい」から生まれる復興パワー

  • 渡邉 美樹

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2011年11月28日(月)

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 皆さん、こんにちは。ワタミ会長の渡邉美樹です。

 今、私たちが生きている2011年は、日本の歴史に深く刻まれる年になることでしょう。3月11日の東日本大震災――。日本の常識が大きく覆ってしまうような大きな災難が降りかかりました。その中で、個人が、企業が、そして日本という国が生き抜き、他人、社会、自然と共存していくため、我々が知り、勉強し、考え続けていかなければならないことがまだまだあることを気づかされました。

 私は、ワタミを日本一の外食チェーンに育て上げるまでの27年の経験を語り、伝えることで、社会に何か貢献できるのではないかと考えています。企業の経営に携わる方、幹部職に就いておられる方、そして、これから自身で事業を始められる方に向けてお話をさせていただきたい。また、私自身も、各界、各分野の識者、リーダーの方たちと接する中でいろいろなことを吸収して、自分を磨き続けていきたいと思っています。

 そんな思いを胸にこのコラムを始めます。皮切りは、私が11月から岩手県陸前高田市で始めた「経営勉強会」の内容をお届けします。

 東日本大震災の後、私は縁あって陸前高田市の参与に就任し、この市の復興に関わらせていただくことになりました。公益財団法人スクール・エイド・ジャパンを通して、累積で支援物資は13トントラックで33台分送りましたし、ボランティアの人たちもバス70台以上、のべ2000人以上を送り込みました。

 ただ、まだ何か足りない。店を流され、家を流されながらも、「もう1度商売をしたい」という人たちがいる。この方々を支援することで地域経済を復興することが、私にできる一番重要なことではないかと考えました。経営者である私が今まで経験し、身につけてきたノウハウをこの地域の人たちに伝えることができます。

 60人余りの方々を前に、今後、6回にわたっていろいろなお話をします。私が尊敬する方々もゲストにお招きします。復興を目指し皆さんが抱いている夢を実現する力をつけていただけたら幸いです。では、まずは勉強会の第1回で私がお話した内容をお届けしましょう。

 経営とは何でしょうか。いろいろな考え方があるとは思いますが、私は「1人でも多くの人を幸せにする技術」だと思っています。そして、その手段の1つが、売上を上げ、利益を上げることだと思います。

 もう1つ、別の視点から見てみましょう。

 経営が、社会との関わりの中で生み出さなければいけないことは、「納税」と「雇用」の2つです。1円でも多く税金を払って、1人でも多くの人を雇う。実は経営の本質はここにあります。なぜなら、私たちの社会は税金と雇用によって動いているからです。

 今、私は11月から始めた「経営勉強会」で、60人余りの皆さんに経営とは何かを学んでもらっています。この勉強会で学んだ人たちに、事業をどんどん興してもらえば、地域に働く場ができて、雇用が生まれていきます。その結果として多くの人に「希望」を感じてもらいたい。それが、この勉強会の目的なのです。

 経営とは技術だと私は思っています。経営の技術は、伝えられる部分もあります。これから皆さんに、私が持つ経営の技術を伝えていきたいと思います。

経営者がやるべき3つのこと

 経営の技術の本質は何か。これは3つあります。おそらく、どの経営の本を読んでも、どの経営学者に聞いても、必ずこの3つにたどり着きます。それは「理念(ミッション)」「ビジョン」「戦略」です。

 つまり、何のためにその事業をやるのか、という理念(ミッション)。2番目はどこに向かっていくのかというビジョン。そして、3番目がそれをどのようにやるのかという戦略です。経営者がやらなければならないのは、この3つだけです。

コメント2件コメント/レビュー

サービス業界においては、渡邊さんがおっしゃる通り、お客様あっての仕事、ところが、最近は、まともなサービスも出来ず、お金だけを取ろうとするところがあるということが問題です。特に、金融業界などはその最たるものです。。。日本は、本当に、渡邊さんがおっしゃるような企業理念をもち、しっかりとした組織をもっている会社が少なすぎるということが現在の問題ではないかと思います。王子製紙にしたって、本当に、その会社で働いている社員や家族はどれだけの生活をしているのか考えもせずに、創業者一族だからといって、職につき、お金を湯水のようにつかうなんて、許せないです。多少、論点が違ってしまいますが、企業のトップだけが何億という法外な給与をもらい、世の中には失業者があふれている日本で生きる若い世代が夢を持てるような社会を築くことを、今することが、被災地の復興にもつながるのではないかと常々思っております。(2011/11/28)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

サービス業界においては、渡邊さんがおっしゃる通り、お客様あっての仕事、ところが、最近は、まともなサービスも出来ず、お金だけを取ろうとするところがあるということが問題です。特に、金融業界などはその最たるものです。。。日本は、本当に、渡邊さんがおっしゃるような企業理念をもち、しっかりとした組織をもっている会社が少なすぎるということが現在の問題ではないかと思います。王子製紙にしたって、本当に、その会社で働いている社員や家族はどれだけの生活をしているのか考えもせずに、創業者一族だからといって、職につき、お金を湯水のようにつかうなんて、許せないです。多少、論点が違ってしまいますが、企業のトップだけが何億という法外な給与をもらい、世の中には失業者があふれている日本で生きる若い世代が夢を持てるような社会を築くことを、今することが、被災地の復興にもつながるのではないかと常々思っております。(2011/11/28)

僕は仕事柄成長する会社を注目して見てきましたが、一般の人にとっても両者の差は非常に重要ですね。理念に共鳴する仲間を集めること、時流(社会のニーズ)に乗ること、他社にまねのできない仕組みを作ることが具体例で書いてありました。とても参考になりましたが、一つ要望があります。これらはいずれも大事なことですが、その中でも優先すべきは「理念に共鳴する仲間」ではないかと思っています。あとのことはこれに付いてくると思うからです。しかし、現実には理念に重きを置かずに入社してくる人も多いでしょう。理念をいかに徹底するかが見過ごされがちで、まだ一般にも掘り下げて解明されていない重要な問題だと思います。人は危機に直面して思わぬ力を発揮します。或いは危機を防ぐためにという理屈で人を動かそうとする手法は世に出回り実践されています。しかしもう一つ、人は正しいと思うことに積極的に取り組む面があります。そのために理念を正しいと思わせるプロセスが重要です。これについて今後ご披露いただけることを期待しています。(2011/11/28)

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三品 和広 神戸大学教授