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ヒューマンスキルに投資しよう

自宅農園で思ったこと

2011年11月25日(金)

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 全くの私事になりますが、私は自宅の庭で野菜を作っています。とても小さな家庭菜園ですが、今の季節はキャベツや大根、ネギ、にんじんを育てていますし、春から夏にかけては、トマトやナス、ジャガイモ、満願寺トウガラシなどを作りました。

 もともとコンクリートの駐車場だったところをはつって作った菜園であり、質の悪い赤土を入れたため、土作りにはかなり難儀しました。それでも、何も考えずに一心不乱に鍬を振っていると、頭の中から雑念が消えていく。週末の気分転換になっています。

農作業は奥が深い

 実は、私の祖父は長野県のレタス農家でした。子供の頃に農作業を手伝った思い出はいまだに心に残っています。父親も東京で畑を借りて野菜を作っています。いわば、野菜作りは私の原風景。1年半前、郊外に中古の戸建て住宅を購入した時に無理やり畑を作ったのは、潜在意識の中に「農業をやりたい」という気持ちがあったからでしょう。

 実際に、自宅で家庭菜園を始めて気づいたことはいくつもあります。その中でも際たるものは自分自身に生きるためのノウハウが欠如しているという現実でした。

 去年の秋に植えたキャベツは管理を疎かにしたため、アオムシだらけになってしまいました。大根はマタが割れ、ナスも実が1つなった後に元気がなくなりました。父親が簡単にやっているのを見ていて、すぐにできると思っていましたが、思い上がりも甚だしい。すべてにおいて奥の深い世界でした。

 そうやって我が身を振り返ってみると、農作業だけでなく、日曜大工や車の修理、シカやイノシシの解体、イワナの取り方など、父親にできて私にできないことがそれこそ山ほどありました。父親に比べて、生きる技術に欠けていることは間違いありません。

 蛇口をひねれば温かいお湯が出る今の時代、そんな技術は必要ないのかもしれません。ただ逆に、すべてが満ち足りている今こそ、生きるための技術やノウハウを身につけるべきではないか、とも思い始めています。

 世界的に続いている資源価格の高騰。これまでのように、農作物を気軽に買えない時代になるかもしれません。今、休耕田が目立っていますが、いずれ食べ物を生み出す農地こそが、最も価値のあるものになるかもしれない。

 その時代に価値のあるスキルは何か。恐らく、プレゼンテーションスキルでも手帳術でもなく、自然を生き抜く力でしょう。さらに言えば、投資という観点で見ても、形ある資産でなく、技術やノウハウというソフトの形で身につけた方がいいのではないか。

コメント3件コメント/レビュー

ど田舎の農漁村に住む私でさえ、篠原さんがおっしゃるような「自然を生き抜く力」がかなり不足しているな、と考えさせらた記事でした。生き抜く力を持っておられる近くの先輩方が、この世から居なくならないうちに少しでも学ばねば!一日や二日で身につくものではないでしょうからね。(2011/11/30)

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「ヒューマンスキルに投資しよう」の著者

篠原 匡

篠原 匡(しのはら・ただし)

ニューヨーク支局長

日経ビジネス記者、日経ビジネスクロスメディア編集長を経て2015年1月からニューヨーク支局長。建設・不動産、地域モノ、人物ルポなどが得意分野。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ど田舎の農漁村に住む私でさえ、篠原さんがおっしゃるような「自然を生き抜く力」がかなり不足しているな、と考えさせらた記事でした。生き抜く力を持っておられる近くの先輩方が、この世から居なくならないうちに少しでも学ばねば!一日や二日で身につくものではないでしょうからね。(2011/11/30)

まったく同感です。田舎生まれ、仙台住まいの私も同じ事を痛感した1人です。ただ、不動産投資よりの自己投資を、という視点はどうかと思いますね。それはあくまでも首都圏での不動産投資に限ったではないですか?仙台では1000万円の自己資金があれば充分安定収入が得られます。築10年ちょっとの8室アパートが3000万円程度で購入できるのですから。地方都市まで視点を広げてはどうでしょう?野菜を作る技術を身につけてもこれからの時代を乗り切れません。知力・体力が衰える老後を支えうるのは、不動産収益ぐらいしかないと思います。(2011/11/25)

「中国(共産主義以前)の富豪は武術(の修得)に投資する。金と違って奪われないからだ」という話があります。■昔、大前氏の「頭に投資しなさい」って言葉に納得して、金を貯めるよりそっち方面に時間を使うように方針を決めました。と言っても薄っぺらな資格をいくつも取るんじゃないですけどね。■仕事でも、単独でなんでもこなさなきゃいけない状況(出張先で孤立無援)が日常だったこともあり、自然とマルチスキルな人間に。出張が日常となると遭難寸前って状況に陥るのも一度ならずってところで、サバイバルスキルも持ってます。■専門性という点ではある意味専門バカな人には敵いませんが、つぶしが効くんで大抵の仕事はこなせるし、仕事が無い時期でも自営で食っていくぐらいは出来ます。■大金稼いで、その金の管理に頭と時間(人生)費やすなんてつまらんし。ってことで自分なりに納得してたり。■でも大前氏の考え全てを是とはしてません。鵜呑みは×。(2011/11/25)

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井上 礼之 ダイキン工業会長