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核のゴミは始末しきれない

「第2の六ヶ所」は本当に必要か

  • 市村 孝二巳

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2011年11月29日(火)

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 本欄で7月から書き続けてきた、原子力の発電コストに関する議論が佳境に入ってきた。

 内閣府の国家戦略室を事務局とする「コスト等検証委員会」が、同じ内閣府の原子力委員会から「核燃料サイクルコスト、事故リスクコストの試算について」(見解)とする報告を受け、原発のコストに関する本格的な検討に入った。

 コスト等検証委員会は、化石燃料や再生可能エネルギーなどを含めた発電コストの比較について、12月中に同じ国家戦略室の「エネルギー・環境会議」に報告する。

 コスト等検証委員会の報告は、民主党政権が来年夏までにエネルギー基本計画の見直しを進めるうえでの大前提になる。野田佳彦政権が、脱原発政策を具体化していくための指針になる、ということだ。

 ここで知りたいのは、東京電力福島第1原子力発電所の事故を経て、原発のコストはどれだけ変化したのか、である。

 コスト等検証委員会が、原子力委員会に検討を依頼したのは、次の2点である。

 (1)原子力発電の核燃料サイクル費用

 原子力発電から生じる使用済核燃料の処理方法については、様々な方策が考えられるが、それらについて、最新動向などを踏まえ、その費用を算出する必要があります。

 (2)原子力発電の将来リスク対応費用

 東京電力福島第1原子力発電所の事故を踏まえ、賠償費用、除染費用、追加的な廃炉費用等が生じていることを念頭に、原子力発電が有する将来顕在化する可能性があるコストを算出する必要があります。

 この2つの依頼を受け、原子力委員会は、新たに「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」(座長:鈴木達治郎・原子力委員会委員長代理)を設け、4回の会合を経て原発コストを再検討し、11月10日に見解をまとめた。(1)の論点が下のグラフに示した、核燃料サイクルのコストである。

 このコラムの第1回第2回で指摘したように、原発のコストについてはこれまで、2004年(平成16年)に電気事業連合会が試算し、経済産業省の総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会コスト等検討小委員会に報告した「1キロワット時当たり5.3円」という試算が、あたかも金科玉条のように語り継がれ、「原発は安い」という根拠となってきた。

 しかし今回、改めて原発コストの試算が必要になったのは、福島第1原発事故の影響で、どれだけ原発が高くつくものになったかを検証する必要があるからだ。特に(2)は、これまで全く試算に織り込まれていなかった要素だが、今回は(1)について精査してみたい。

 原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会は、核燃料サイクルの方向性を3つのシナリオに場合分けしてコストを試算した。(1)は、使用済み核燃料をすべて再処理し、MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料を作ってリサイクルする「再処理モデル」、(3)は、使用済み核燃料を全く再処理せず、地中に埋設処分する「直接処分モデル」、そして2つの中間に位置する(2)が、使用済み核燃料の一部を20年後に再処理してリサイクルする一方、残りは50年間の中間貯蔵を経て再処理してリサイクルするという「現状モデル」――である。

 この試算を出すに当たり、 小委員会では激しい議論が繰り返された。メンバーには、反原発の立場から伴英幸・原子力資料情報室共同代表が加わったほか、原発推進派に批判的な松村敏弘・東京大学社会科学研究所教授も名を連ねた。

コメント17件コメント/レビュー

人類の歴史からいえば、ほぼ永久的に核のごみを管理保管しなければならない原発のいうシステム。それに縋りつこうとするコメントが見られるのが不思議でならない。どのような理由をつけようともこの事実からは逃げられないではないか。人類を含む地球上の生物の未来をどのような理屈で核エネルギーに託すと言うのか、まったく理解できない。比較の対象を卑近なものに極小化し反論する人々の知を疑ってしまう。(2011/12/01)

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人類の歴史からいえば、ほぼ永久的に核のごみを管理保管しなければならない原発のいうシステム。それに縋りつこうとするコメントが見られるのが不思議でならない。どのような理由をつけようともこの事実からは逃げられないではないか。人類を含む地球上の生物の未来をどのような理屈で核エネルギーに託すと言うのか、まったく理解できない。比較の対象を卑近なものに極小化し反論する人々の知を疑ってしまう。(2011/12/01)

高速増殖炉は絶対にできない。エンジニアにとってナトリウム・カリウム・マグネシウムは花火の材料だからこんなのものを高温で循環させるなど絶対にできない。実験室の試験管だけの世界だ。水をかけたら反応するナトリウムをどうして原発に使えるのだ。核反応には水しかないことをいやと言うほど思い知らされたのに。20年前に原子力工学科の院生は、「もんじゅはナトリウムがなあ・・・」と言っていた。原子力村にとってもんじゅが動かせないことだけが生き残れる条件なのである。実験を始めれば、即事故を発生することは彼らの暗黙の了解である。こんないい加減なことでいいのか、大学教授!(2011/11/30)

ずっと不思議に思ってたことが解決しました。再処理や最終処分の費用を含めたら電力会社が言うようなコストで発電できるわけないと思ってました。やっぱりコストに入ってなかったんですね。普通に考えたら詐欺ですよ。(2011/11/30)

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三品 和広 神戸大学教授