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「技術世界一」の厳しい戦い

三菱重工、ガスタービン工場の挑戦

  • 阿部 貴浩

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2011年12月6日(火)

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 11月22日、三菱重工業の高砂製作所(兵庫県高砂市)は、快晴に恵まれていた。建屋の1つに入ると、ヘルメットにゴーグルを着けた技能訓練生が、様々な作業に取り組んでいる。来訪者に気づくと、口々に「ご安全に」と言葉をかけてくれた。これは三菱重工の工場で広く使われている挨拶の言葉だ。

 この建屋は「ものづくり教育センター」として使われており、現場に出る前の作業者が1年半にわたり訓練を受ける。切削や電気溶接などの技能を取得して、最後には高度な課題が与えられる。監督者の1人は「卒業試験のようなもの。課題に合格しないと現場に出さないと脅している」と笑みを浮かべた。

 高砂製作所は様々なタービンを生産する三菱重工の中核工場だ。生産するタービンの6割強がガスタービンで、3割弱が蒸気タービンになる。決算のセグメント項目で「原動機」と表されるタービン事業は、全体の営業利益の8割以上を稼ぎ出し、三菱重工の屋台骨を支えている。

発電効率は世界最高

 ガスタービン発電機は、圧縮空気を燃料となるガスと混合して燃焼、タービンを回転させ発電する。飛行機のジェットエンジンと基本的な構造は変わらないが、ガスタービンは廃熱を回収して蒸気タービンも回すことで、エネルギー効率を高めている。ガスの燃焼温度を上昇させるほど効率が向上するといい、同社が開発した「J形」という最新鋭の機種は、燃焼温度1600℃と世界最高の温度を達成した。蒸気タービンと合わせた発電効率は60%超と、こちらも世界最高になる。

三菱重工は世界最高効率のJ形ガスタービンを開発した
三菱重工は世界最高効率のJ形ガスタービンを開発した

 原発事故によって、国内外で原発の新設計画は延期・凍結されている。この代替電源になり得るのが、ガスタービン発電機だ。J形の出力は67万キロワットで、100万キロワットとされる原発に比べても見劣りしない。初期投資は原発の3分の1程度と見られ、設置場所の選定も比較的、容易だ。実際に原発事故後に代替電源として、東京電力、東北電力へ5台のガスタービン発電機を緊急供給している。

 脱原発の流れに後押しされ、さぞや工場内は忙しいに違いない。こうした期待を持って、ガスタービンの組立工場にお邪魔すると、思ったよりも静かだ。3台ある最終組み立て場も、1台は空いているように見える。タービンブレードの取り付けや、本体の切削加工でも淡々と作業が進行していた。素人が見ただけでは繁閑の具合は分からないのだろうと思っていたが、工場見学を終えたところ、安藤健司・高砂製作所長は「お気づきになったかもしれませんが、現在の稼働率は高くありません」と教えてくれた。ガスタービンの生産能力は年間36台。しかし、現在の稼働率は50%程度だという。

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